プロテインファクトリー部門

活動内容

プロテオーム解析によって、有効なバイオマーカーを発見し、診断薬・治療薬開発のスピードアップに貢献するためには、多種多様なサンプルの大規模解析を行っています。

当プロジェクトの特徴は、同一組織等サンプルからRNA、続いてDNAを抽出し、さらにタンパク質を調製している点です。これら3分子の動態(ゲノム・遺伝子発現・プロテオーム)を直接比較できるようにし、疾患のより詳細な解析を行っております。

プロテオーム解析のために、福島県立医科大学付属病院等からの疾患患者由来組織サンプルやモデル動物由来サンプル、様々な処理を施した細胞由来サンプルに加え、市販の組織サンプル等も購入し、これらのサンプルからのタンパク質精製法と長期保存法を確立しました。

疾患患者由来組織サンプル等のプロテオーム解析においては、1組織由来のサンプル中に存在するタンパク質をできる限り網羅的に解析する方法と、多数組織のサンプル中に存在するターゲットタンパク質を1回の解析で検出する方法との2種類の大規模解析法が存在します。

主に開発が進められているのは前者ですが、大規模に集積されるタンパク質サンプルを短時間で、かつ網羅的に解析するに十分な方法は未だ開発されていません。

そこで当部門では、後者のプロテオーム解析技術である逆相タンパク質マイクロアレイ解析法(RPPMA)の開発に取り組んでいます。本研究開発により、数千の組織等由来のタンパク質を1枚のスライドガラスにプリントできるようになりました(目標:3万サンプル)。

このタンパク質アレイを使用することにより、様々な疾患患者由来組織(症例)に発現している疾患関連タンパク質等を短時間で検出・比較することが可能になりました。

今後は、プリントサンプル数の増加と検出条件の最適化を進め、さらに、RPPMAで発見したターゲットタンパク質の詳細解析を質量分析法(MS)および2次元電気泳動(2DE)法で行うことで、翻訳後修飾等の詳細な情報を付加することを目指しております。

タンパク質抽出と保管管理、解析技術

スタッフ

家村 俊一郎 教授
五島 直樹 特任教授
志賀 葉月 助教
佐藤 慈子 助教
多勢 祥 助手
後藤 貴宏 助手
岡 純平 研究員
富山 洋介 研究員
湯田 愛弥 研究員
杉尾 ジュリー 研究員
小椋 流生 研究員
七森 和 研究員
安藤 彰朗 研究員
松本 展希 研究員

主な論文・学会発表等

研究員の過去の主な業績をリストアップしています

論文

  • Sekine, Y., Hatanaka, R., Watanabe, T., Sono, N., Iemura, S., Natsume, T., Kuranaga, E., Miura, M., Takeda, K., Ichijo, H. The Kelch repeat protein KLHDC10 regulates oxidative stress-induced ASK1 activation by suppressing PP5. Mol Cell, 48, 692-704 (2012)
  • Nakada, S., Tai, I., Panier, S., Al-Hakim, A., Iemura, S., Juang, Y., O’Donnell, L., Kumakubo, A., Munro, M., Sicheri, F., Gingras, A., Natsume, T., Suda, T., Durocher, D. Non-canonical inhibition of DNA damage-dependent ubiquitination by OTUB1. Nature, 466, 941-946 (2010)
  • Kaneko, T., Hamazaki, J., Iemura, S., Sasaki, K., Furuyama, K., Natsume, T., Tanaka, K., Murata, S. Assembly pathway of the Mammalian proteasome base subcomplex is mediated by multiple specific chaperones. Cell, 137, 914-925 (2009)
  • Komatsu, M., Waguri, S., Koike, M., Sou, Y., Ueno, T., Hara, T., Mizushima, N., Iwata, J., Ezaki, J., Murata, S., Hamazaki, J., Nishito, Y., Iemura, S., Natsume, T., Yanagawa, T., Uwayama, J., Warabi, E., Yoshida, H., Ishii, T., Kobayashi, A., Yamamoto, M., Yue, Z., Uchiyama, Y., Kominami, E., Tanaka, K. Homeostatic levels of p62 control cytoplasmic inclusion body formation in autophagy-deficient mice. Cell, 131, 1149-1163 (2007)
  • Kitajima, T.S., Sakuno, T., Ishiguro, K., Iemura, S., Natsume, T., Kawashima, S.A., Watanabe, Y. Shugoshin collaborates with protein phosphatase 2A to protect cohesin. Nature, 441, 46-52 (2006)

著書

  • Iemura, S., Natsume, T. Protein Interaction. Cai J, Intech, Croatia, 293-310 (2012)
  • Iemura, S., Yamamoto, T. S., Takagi, C., Ueno, N., Real-time analysis of biomolecular interactions: applications of BIACORE, Nagata K. and Handa H., Springer-Verlag, Tokyo, 105-114 (2000)
  • 家村俊一郎, 山本隆正, 高木知世, 上野直人. 生体物質相互作用のリアルタイム解析実験法. 永田和宏・半田 宏 共編, シュプリンガー・フェアラーク東京, 東京, 106-113 (1998)

学会発表

  • 家村俊一郎. 超々高感度質量分析への挑戦. 日本ヒトプロテオーム機構第8回大会・第6回日本臨床プロテオーム研究会連合大会(シンポジウム), 千葉県浦安市 (2010)
  • Iemura, S. Systematic Analysis of Protein Interaction Networks Using Human Full Length cDNA. 20th IUBMB International Congress of Biochemistry and Molecular Biology and 11th FAOBMB Congress(シンポジウム), Kyoto, Japan (2006)