細胞を用いた抗体の生物活性評価
抗体による細胞増殖阻害活性や細胞傷害性の測定を行います。
抗体医薬品の中和活性の評価
ハーセプチンの中和作用による乳がん細胞株の増殖阻害評価
抗体 | ハーセプチン: 陽性コントロール、抗HER2抗体 |
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アービタックス: 陰性コントロール、抗EGFR抗体 |
細胞 | HER2 陰性 MCF7細胞(乳がん細胞) |
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HER2 陽性 ZR-75-30細胞(乳がん細胞) |
▲ 細胞増殖阻害を電気抵抗値(xCELLigence)を用いて評価
xCELLigennceを用いた電気抵抗値による細胞増殖阻害活性の測定
- 標識やレポーターが必要ない
- 細胞の生存をリアルタイムモニタリング
- インキュベーター内で長時間測定が可能
- 金電極がウェル底面をカバー
ZR-75-30 (HER2陽性)を用いた評価
ハーセプチン |
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抗体濃度依存的Cell indexが減少 |
アービタックス |
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抗体無処理と同様にCell indexが上昇 |
MCF7 (HER2陰性)を用いた評価
ハーセプチン |
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抗体無処理と同様にCell indexが上昇 |
アービタックス |
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抗体無処理と同様にCell indexが上昇 |
ハーセプチンはHER2陽性細胞では細胞増殖阻害活性を示した
ハーセプチンはHER2陰性細胞では細胞増殖阻害活性を示さなかった
陰性コントロールのアービタックスは増殖抑制を示さなかった
抗体医薬品の抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)の評価
ADCC活性評価 試験方法
細胞名 | 播種細胞数 |
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SK-BR-3 (ヒト乳がん細胞株) (ATCC) |
5×10³ cells |
ADCC Bioassay Effector Cell (BPS Bioscience) |
5×10⁴ cells |
抗体名 | ADCC活性 | 処理濃度 |
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Trastuzumab | あり | 100, 10, 1, 0 ng/mL |
Bevasizumab | なし | 100, 10, 1, 0 ng/mL |
ADCC活性評価 試験結果
Trastuzumabでは抗体濃度依存的なADCC活性が確認できた
BevacizumabではADCC活性は見られなかった
F-PDOを用いたADCの評価
肺がん由来のF-PDO RLUN16 |
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ERBB2高発現 |
F-PDO: 福島医薬品関連産業支援拠点化事業で樹立した Patient-Derived tumor Organoid
> F-PDOページはこちらから
抗HER2抗体 |
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肺がん由来F-PDOを用いたADCの評価 試験結果
カドサイラ (ADC) | ハーセプチン | パージェタ |
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カドサイラ(ADC)は、肺がん由来F-PDOの細胞増殖を顕著に阻害した
ERBB2高発現 RLUN16-2 | ||
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エンドポイントでATP量を測定し生細胞数を測定 | ||
カドサイラ | ハーセプチン | パージェタ |
カドサイラのみが細胞死を顕著に誘導している
二重特異性抗体の評価
Blinatumomab
- 抗CD19, 抗CD3の二重特異性抗体
- Amgenが販売
- フィラデルフィア陰性の再発もしくは難治性のB細胞前駆型急性リンパ性白血病薬
- アメリカで2014年に承認
- 日本では2018年9月に承認
二重特異性抗体の評価 評価方法
ターゲット: B細胞由来血液がん細胞
細胞 | 由来 |
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RAJI | Bリンパ球様バーキットリンパ腫 |
細胞傷害性T細胞
誘導方法 |
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抗CD3抗体 + IL-2 |
- Calcein-AMによる生細胞蛍光染色
- 細胞傷害性T細胞・抗体添加 (2 h)
- 蛍光強度の測定、死細胞算出
二重特異性抗体の評価 結果
細胞傷害活性を確認
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