ビアコアによる受託試験
概要
表面プラズモン共鳴(SPR)技術を用いて分子間相互作用解析を行います。
評価可能な相互作用
- 抗原/抗体
- タンパク質/タンパク質
- ペプチド/タンパク質
- 低分子化合物/タンパク質
- ビオチン化オリゴDNA/タンパク質
対応可能な解析
リガンド | アナライト | センサーチップ | キャプチャーキット | リガンドのキャプチャー方法 |
---|---|---|---|---|
ヒト抗体 | タンパク質/ペプチド | CM5 | Amine Coupling Kit Human Antibody Capture Kit |
アミンカップリングで抗ヒトIgG抗体をセンサーチップに結合させ,リガンドをキャプチャー |
ヒトFabキメラ抗体 | タンパク質/ペプチド | CM5 | Amine Coupling Kit Human Fab Capture Kit |
アミンカップリングで抗ヒト抗体をセンサーチップに結合させ,リガンドをキャプチャー |
マウス抗体 | タンパク質/ペプチド | CM5 | Amine Coupling Kit Mouse Antibody Capture Kit |
アミンカップリングで抗マウスIgG抗体をセンサーチップに結合させ,リガンドをキャプチャー |
ヒトとマウス以外の哺乳動物由来IgG抗体 | タンパク質/ペプチド | Protein G*1 | ー | Protein Gでリガンドをセンサーチップに結合させる |
タンパク質 (Hisタグ) |
タンパク質/ペプチド/低分子化合物 | CM5 | Amine Coupling Kit His Capture Kit |
アミンカップリングで抗His抗体をセンサーチップに結合させ,リガンドをキャプチャー |
タンパク質 (GSTタグ) |
タンパク質/ペプチド/低分子化合物 | CM5 | Amine Coupling Kit GST Capture Kit |
アミンカップリングで抗GST抗体をセンサーチップに結合させ,リガンドをキャプチャー |
一級アミンをもつ分子 | タンパク質/ペプチド/低分子化合物 | CM5 | Amine Coupling Kit | アミンカップリングでリガンドをセンサーチップに結合させる |
ビオチン化分子*2 | タンパク質/ペプチド/低分子化合物 | CAP*3 | Biotin CAPture Kit | ストレプトアビジンでリガンドをセンサーチップに結合させる |
ビオチン化オリゴDNA | タンパク質/ペプチド | SA*4 | ー | ストレプトアビジンでリガンドをセンサーチップに結合させる |
※1 CM デキストランにProtein G を固定化したセンサーチップ
※2 核酸の場合はセンサーチップSA を使用
※3 一本鎖オリゴDNA が固定化されたセンサーチップ
※4 CM デキストランにストレプトアビジンを固定化したセンサーチップ
測定機器、ソフトウェア、センサーチップ
測定機器、ソフトウェア
- 測定機器 :Biacore T200 (Cytiva)
- ソフトウェア :Biacore T200 Software v3.0
・ 測定感度:解離定数(KD値)が数十pM~数mM
センサーチップ
- Sensor Chip CMシリーズ
・ CM基を導入したデキストランを固定化したタイプ
・ 様々な架橋剤に対応し、汎用性の高いチップ
測定方法
抗HER2抗体であるトラスツマブの測定例 - シングルサイクルカイネティクス解析法 –
測定方法
- センサーチップに抗ヒトIgG抗体を固定化(アミンカップリング法)
- 抗ヒトIgG抗体でトラスツマブ(リガンド)を捕捉
- HER2タンパク質(アナライト)を段階的に添加し、各濃度における相互作用を連続検出
※ シングルサイクルカイネティクス解析法とマルチサイクルカイネティクス解析法での測定解析に対応
トラスツズマブとバイオシミラーに含まれている Host Cell Proteinの測定例
測定方法
- センサーチップに抗CHO HCP抗体を固定化(アミンカップリング法)
- Host Cell Protein 8濃度を添加し、検量線を作成
- トラスツズマブとバイオシミラーを添加し、抗体に含まれているHost Cell Proteinの濃度を測定
測定サンプル | HCP含有濃度(μg/ml) |
---|---|
A | < 0.25 |
B | < 0.25 |
C | < 0.25 |
D | 29.45 |
トラスツズマブ | < 0.25 |
提供データ
- カイネティクス解析データ
- アフィニティ解析データ:結合速度・解離速度・解離定数
必要サンプルについて
リガンドの必要量
- アナライトが1サンプルの場合、測定濃度の10倍以上の濃度の溶液が150 µL必要となる。
- 基本的には、リガンドの濃度は4 µg/mLで測定を行うため、50 µg/mLの溶液が150 µL必要となる。
- アナライトが低分子化合物の場合、リガンド濃度はセンサーチップへの結合方法によって必要濃度が異なる。
① リガンドをセンサーチップに直接固定もしくは、抗GST抗体でリガンドをキャプチャーする場合:リガンド濃度 20~50 µg/mL
② 抗His抗体でリガンドをキャプチャーする場合:リガンド濃度 5~20 µg/mL
アナライトの必要量
- アナライトは、測定する最高濃度の100倍以上の濃度の溶液が150 µL必要となる。
- 既知の解離定数(KD値)が10 (nM)の場合、81, 27, 9, 3, 1 (nM)の5点で測定を行うため、10 µMの溶液が150 µL必要となる。
※ 100倍以上の濃度の溶液が準備できない場合は、別途ご相談ください。
アナライトサンプル数 | 測定濃度の10倍濃度の リガンド必要液量(µL) |
---|---|
1 | 150 |
2 | 200 |
3 | 250 |
… | … |
10 | 600 |
※ 条件検討が必要な場合、追加で溶液が必要な場合があります。
溶媒等
- 試験に使用するサンプルは、送付いただく前に脱塩や、D-PBS(-)溶液にバッファー交換をお願いしております。
- ランニングバッファーとサンプルの溶媒が異なる場合は、正確に測定できないこともあります。特に、サンプル溶媒にUreaが含まれている場合は、必ず脱塩等が必要となります。
※ 脱塩や脱塩後の濃度測定が行えない場合は、別途ご相談ください。
納期
- 通常1か月程度 ※ 試験内容、サンプル数などで変動します。
お問い合わせ
受託試験のご依頼は、医療- 産業トランスレーショナルリサーチセンターにお願い致します。