患者由来凍結腫瘍組織(F-PDX®) | 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター

患者由来凍結腫瘍組織(F-PDX®)

患者由来凍結腫瘍組織
(F-PDX®)とは

※F-PDXは公立大学法人福島県立医科大学の登録商標です。

F-PDXは、病理組織学的解析や網羅的遺伝子発現解析による評価基準で樹立したもので、担がん動物作製用として適しています。F-PDXは製薬企業等に直接有償提供し、⾃由に使うことが可能です。

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f-pdxの作製の流れ

カタログ閲覧登録いただくと、専用ページよりF-PDO・F-PDX の詳細情報がご覧いただけます。

F-PDX の遺伝子発現・遺伝子変異のデータベースを作成しました。

F-PDXの特長

  • 患者腫瘍組織の一部を免疫不全マウスに移植・継代して樹立。
  • インフォームド・コンセントを取得済み。
  • 元の腫瘍の病理組織や遺伝子発現の特徴を維持。
  • 多発性骨髄腫を含む多様ながん種について200 系統以上をラインナップ。
  • ゲノム解析データ、移植試験データ、臨床情報などをもとに選択可能。
  • ヒト感染症陰性を確認済み。
  • 凍結腫瘍組織として提供可能。
  • 造血器腫瘍系統については、HLA型を同定済みです。

ラインナップ

造血器腫瘍: 76 系統
がん種 系統数
多発性骨髄腫 1
リンパ性白血病 57
骨髄性白血病 15
その他 3
固形腫瘍: 162 系統
がん種 系統数 がん種 系統数
卵巣がん 22 子宮体がん 34
絨毛がん 1 肺がん 21
喉頭がん 1 大腸がん 16
胆管がん 1 精巣腫瘍 1
子宮頸がん 18 腹膜がん 2
乳がん 2 肉腫 18
胃がん 2 肛門管がん 1
脳腫瘍 9 中皮腫 2
腎がん 4 膵がん 6
食道がん 1
モデル例: 多発性骨髄腫(MM)モデル
移植後の生存曲線
移植後の生存曲線

F-PDXを多数匹の免疫不全マウスに同時に移植し、その生存率をカプラン・マイヤー法で示した。

マウス腰・下肢部の3次元CT画像
マウス腰・下肢部の3次元CT画像

MMモデルマウスでは、多発性骨髄腫に特徴的な骨の打ち抜き像(赤い領域)が観察された(画像は移植後139日目)。

■ 利用可能なF-PDXのリスト
タイトル 形式
F-PDX list Excel

用途・使用例

  • 薬効評価
活用例: 急性リンパ性白血病モデルを用いた抗がん剤の薬効評価
F-PDXを移植した免疫不全マウスに抗がん剤(Ara-G: ネララビン,CFB: クロファラビン,Ara-C: シタラビン)を投与した場合の生存率とヒト化率の評価を行った。

移植後の生存曲線
移植後の生存曲線
移植後のヒトCD45陽性細胞数
移植後のヒトCD45陽性細胞数

抗がん剤投与群では対照群(Saline)と比べ、生存期間の延長と細胞増殖の抑制が認められた。

提供可能資料

  • 臨床情報
  • 組織作製情報
  • 遺伝子発現解析データ
  • ゲノム解析データ
■ 関連資料
タイトル 形式
F-PDX_チラシ PDF
F-PDX概要_スライド PDF
■ 参考文献

■ 実験医学別冊 「患者由来がんモデルを用いたがん研究実践ガイド CDX・スフェロイド・オルガノイド・PDX/PDOXを網羅 臨床検体の取り扱い指針から樹立プロトコールと入手法まで」、佐々木博己/編、羊土社 ISBN 978-4-7581-2242-9 (2019)
福島PDXコレクション、土橋悠、片平清昭、P.236-243
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758122429/index.html

福島事業の成果物であるF-PDX®について解説しています。

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