HOME > 理事長室からの花だより

理事長室からの花だより

新着 30 件

一覧はこちらから

理事長室からの花だより

2009.07.03

vol.37  − 寂寥 (せきりょう) −

先日、蕎麦(そば)の花が一面に咲いている写真が新聞に掲載されていました。
私が奥会津で勤務していた頃に、2、3度花が咲き誇っている蕎麦畑に連れて行って戴いたことがあります。
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/37_soba_batake.jpg
※写真提供:JA会津みなみ(猿楽台地のそば畑・下郷町)

蕎麦の畑や花は、季語では秋です。
しかし、この季節、荒れた高原の傾斜地に空の青と森の緑に囲まれるように咲いている一面の蕎麦の花は、幻想的でさえあります。土地の人に、稲作が困難な土地の作物であることも教えて戴きました。花の期間が短いこともあり、私は蕎麦の花に寂寥感を感じてしまいます。

寂寥感を感じさせる音楽と言えば、私にはスタンゲッツの、最後の録音(死の3ヶ月前)の中の「ファースト・ソング」が真っ先に頭に浮かびます。
この演奏は、死を受け入れた演奏者と、生前の最後の録音だと知って聴いている者の感情移入が、この曲をより一層名曲・名演奏にしているのはないででしょうか。
この演奏は、モーツァルトがあたかも自分の為に作ったレクイエムを連想させます。

パット・メセニーが作曲者のチャーリー・ヘイデンと演奏しているCDも、ジャケットのデザインと共に哀感を漂わせています。
こんな名曲の名演奏を聴くと、感動という点ではジャズもクラシックも関係ないことを実感します。

梅雨のこの時期、心の裡(うち)に梅雨の情景を持つことは悪くないなと思い、過ごしています。
「軟らかい砂地の中にも硬い岩山がある」を理想の振る舞いと信じ、日々の打合せや会議に臨んでいる自分には、梅雨はささくれ立った心の棘(とげ)を取り去り、潤いを与えてくれます。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)



今週の花


【理事長室】
■アンスリューム(バタフライ)
サトイモ科 常緑多年草
原産:中南米
うちわのようなツヤツヤの苞が特徴の造花の
ような花。
熱帯原産なので暑さに強く、観賞期が長い。
花色や苞の大きさも様々で多品種あり。
バタフライはグリーン〜ピンクの個性的な花
色。

■ミスカンサス
ユリ科 多年草
葉に白いラインが入る。
しなやかなのでそのままのラインをいかす他、
カールさせたりとアレンジできる。

■トルコギキョウ(エクローサグリーン)
リンドウ科 多年草
原産:北アメリカ
別名「ユーストマ」
比較的暑さに強く、花持ちが良い。
毎年数多く新品種が登場し、花色や大きさ、
咲き方など多種多様。
エクローサグリーンはさわやかな淡いグリーン
の花色で八重咲き。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/371.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)


【秘書室】
■日向水木
マンサク科 落葉低木
原産:日本
別名「伊予水木」「姫水木」
3〜4月頃に小さな黄色い花を付ける。
枝が細く多く分岐し2〜3mになる。
葉は柔らかく、若葉は赤みを帯びて美しい。
生花店では、おもに別名の姫水木で流通。

■スモークツリー
ウルシ科 落葉高木
原産:中国〜南ヨーロッパ
別名「煙の木」「霞の木」「白熊の木」
名前の通り、煙がモクモクしているような花後の姿が特
徴。
花自体は小さく目立たたない。

■アナナス
パイナップル科 非耐寒性常緑多年草
原産:熱帯アメリカ
観賞用の小さなパイナップル。
水に浸けなくても長期間楽しめる。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/372.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

▲TOPへ