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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2011.10.28

vol.146  − 使命 −

度々書いてしまいますが、この時季の福島は、他人(ひと)に優しい秋の日差し、早朝の出勤時には、吾妻の嶺々の山肌の色が朝日によって刻々と変わっていきます(vol. 53、98)。
雲と協演して様々な色模様を作る様は、母親が子供を送り出すような感じを持ちます。
   (vol.53 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=79
   (vol.98 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=126

         天地 無情 双鬢(そうびん)の秋

処理しきれない程の課題を抱えて、立ち止まり続けていることの難しさを痛感しています。
「行蔵(こうぞう)は我に存す 毀誉(きよ)は他人の主張」を胸に刻んでの日々です。

戻ることなどできないと分かっているからこそ

         君は川流(せんりゅう)を汲め
         我は薪(たきぎ)を拾わん

只一点の目標に向かって、昔、確かにあったこんな師弟の世界をしきりに思い出します。

還暦を疾(と)うに過ぎてしまった今だからこそ、見ぬ振りもできるし、見過ごすことの大切さもわかります。
ここに年を重ねることの効用の一つがあります。只、私は父を早くに亡くした為に、父が生きていたならどう考えただろうかと考えてしまいます。
誰も経験したことのない荒野を、羅針盤なしに歩いている心細さも時に感じます。
只一つ、「責任」という文字を抱えて…。

「居酒屋の国会」レベルの愚痴の一つも口に出したくなる時は、「人生が配ってくれたカードに愚痴を言ってはならない」を心の中で呪文のように唱え、辛かった若い頃に聞いたCDを流して、与えられた使命の進行を確認し、明日のことは考えずに心のバランスを取っています。

先日、園遊会に御招待を受けて出席してきました。
庭園巡りを若い時からしてきた者にとっては、赤坂御苑は紀州徳川家の上屋敷跡、池を中心とした回遊式庭園を鑑賞する絶好の機会となりました。
見果てぬ夢ですが、出来たら、人のいない時、ゆっくりと一人で歩ければと思いました。今になって、重森三鈴(しげもりみれい)の実測地図付きの全集を売却してしまったことを悔やみました。

先導の侍従の方に紹介されて、天皇陛下からお言葉を戴きました。
労い(ねぎらい)のお言葉もさることながら、「皆を宜しく」のお言葉には心打たれました。予告なしのことで、すっかり気が動転して何を話したか全く憶えておりません。
皇太子様を始め皇族の方々からも直接、次々と、間近から陛下と同様のお言葉を戴きました。

天皇陛下始め皇族の方々からの労いと“激励”に、内外の雑音に嫌気がさしていた私は、大いに勇気を戴きました。

         士は己(おのれ)を知る者の為に死す

この言葉の意味が実感出来ました。

         嘉(よ)き会(かたら)いのとき
         再びは遭(めぐりあ)い難(がた)し

本学の新たな歴史的使命、その重さを受け止めもう少し働いてみます。

10月26日、本学の解剖慰霊祭が執り行われました。(http://www.fmu.ac.jp/univ/daigaku/irei_sai.html )
この式典で、遺族の方々が肉親の名前を見付け、指差したり、祈り、そして語りかけているのをみるたび、ヒトとしての時空を越えての繋がりを感じ、胸に込み上げてくるものがあります。

今週の花材は、執務室、秘書室とも“秋の華やぎ”の演出です。


(福島県立医科大学理事長  菊地臣一)


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今週の花


【理事長室】
■ナナカマド   バラ科/落葉高木/原産:
日本/《名前の由来》かまどに7度入れても燃
え残るくらい燃えにくい事からという一説があ
る/花期は初夏で、1cm程の小さな花が集ま
って房状に開花する。花後に5伉の実をつ
け、秋に熟すと真っ赤に色付く。紅葉と色付い
た果実が美しい樹木。
■ユリ(レクサス)   ユリ科/球根植物/オ
リエンタルハイブリット系品種で、大きく優雅な
花姿と芳香が特徴。「レクサス」は鮮やかなピ
ンク色。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1461.jpg
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【秘書室】
■キウイづる   マタタビ科/落葉蔓性植物/原産:中
国/キウイフルーツの蔓で、ユニークな曲線が特徴。今
回は晒したものを使用。
■アルストロメリア(ニース)   ヒガンバナ科/球根植
物/原産:南アメリカ/《名前の由来》スウェーデンの植
物学者アルストレメールの名より/昭和初期に渡来。1
本の茎から花茎を伸ばし5〜8輪の花が咲く。花持ちが
良く、2番花も開花しやすく、長期間楽しめる。花びらに入
る独特の斑が特徴で、ユリを小さくしたような花姿。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1462.jpg
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