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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2010.11.19

vol.101  − 再びの船出 −

この時季、「あんぽ柿」が吊されて干されているのを、大学近郊に散在している農家の軒先にみることができます。この風景は、今の季節の到来を告げる風物詩です。
干し柿のうちでも、中がゼリーのようにとろっとした甘みの広がる「あんぽ柿」、江戸時代から伝わる製法の源は、福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ)に発しています。

この時季、大学来訪者が異口同音に激賞するのは、構内の植栽、とりわけガラス壁のロビーを通して姿をみせてくれる紅葉(vol.54)、あるいは木立の並木でドームのような構成美をみせてくれる中庭の、“錦秋の小路”と“落ち葉の絨毯”です。
この風景も寒波の襲来とともに終幕が近づいています。
  (vol.54 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=80

先週末、学会に招かれて佐賀へ行って来ました。
外弟子達にお願いして、講演の前後に、近代日本の書道史上、多くの芸術家から高く評価されている、明治の元勲(げんくん)である副島種臣の書をみることができました。
驚いたことに、まとめて展示されているということはなく、地元ではあまり関心が高くないことを知りました。少し寂しく感じました。複製(レプリカ)でも良いから展示コーナーをどこかに設けてくれたらどんなに良いことかと感じました。

それでも、地元の方々が、突然のお願いにもかかわらず、普段は公開していない部屋まで案内して下さり、見せて戴きました。願正寺、そして佐嘉神社の皆様に感謝です。
佐賀県立美術館では、地元出身の岡田三郎助の絵画を鑑賞できたことは、予期しない贈り物でした。

11月19日といえば、リンカーンによってゲティスバーグの演説が行われた日です。
一文一文が短く、簡潔に、対位的な文章の配置など、リンカーンのこの演説(ゲリー・ウィルズ「リンカーンの三分間―ゲティスバーグ演説の謎」)は、私は自分で勝手に“天下の名文”だと高く評価しています。
私が感動するのは、有名な台詞にではなく、文章にあります。
あの中には、ゲティスバーグという地名、奴隷制度の廃止、あるいは連邦の再建に対する言及が一切ありません。普遍的な文章と事項が簡潔に並んでいるだけです。

100号から新たな旅立ち、どこまで続けられるか、不安を抱えての再出航です。
実は、丁度良い区切りなので終わりにしようと決心していました。学内の“茶飲み友達”にも相談しました。
仕事での出先で、知人達から「便りシリーズ」に関して好意的な感想を戴いていることを考え、続けることを決心しました。

今週の花材は、執務室はしっとりとした木瓜(ボケ)が、心を静めてくれる佇まいをみせてくれています。
秘書室は、寒空の中、楚々とした立ち姿に心惹かれます。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■木瓜(ボケ)   バラ科/落葉低木/原
産:中国/渡来当初は薬木として利用され、
明治〜大正になってから観賞されるようにな
る。球形の実は果実酒や鎮痛剤として利用。
庭木や盆栽として人気があるが、切花でも長く
楽しめる。
■ユーカリ(ポポラス)   フトモモ科/常緑
高木/原産:オーストラリア/コアラの食用樹
として有名。オーストラリアを中心に約600種
が分布。「ポポラス」は丸く大きな葉が特徴。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1011.jpg
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【秘書室】
■サンダーソニア   ユリ科/球根植物/原産:南アフリカ
/細い茎にランプを灯したようなオレンジ色の花が咲く。花は
下向きでベルのような花姿。原産地ではクリスマスの頃に開
花することから「クリスマスベル」とも呼ぶ。
■イヌガンソク   イワダンテ科/シダ植物/山道や山林の
樹木下などに生育。初夏に鮮やかな緑の大きな葉を広げた姿
が見事なシダ。秋から冬にかけて栄養葉が枯れ、胞子葉は褐
色になり硬くなる。よく似ているガンソクの若芽は「コゴミ」とし
て知られる山菜の一種。
■ピンポン菊(グリーン)   キク科/多年草/原産:オラン
ダ/ピンポン玉のようにまん丸に咲く。切花の中で花持ちが良
い菊の中でも、特に花持ちが良く長く楽しめる。
■シキミア   ミカン科/常緑低木/原産:日本・台湾/日
本原産のミヤマシキミをオランダで改良。海外で人気となり、
品種改良が進み逆輸入される。開花後より蕾の状態が観賞
価値が高い。
※拡大写真http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1012.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

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