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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2010.11.12

vol.100  − 継続 −

庭の七竈(ナナカマド)がいい赤をみせてくれています。
玄関のベトナム産の大壺に、蔓梅擬き(ツルウメモドキ)、菊(キク)、灯台躑躅(ドウダンツツジ)を投げ入れて、今年鑑賞できなかった“錦秋”を家に取り入れてみました。

大分、体調が戻ってきたので、小春日和の一日、散策をしてみました。
寺院の門前に茶の木が白い小さな花を咲かせていました。バラ園に行き当たり、どこからともなく銀木犀(ギンモクセイ)(?)の香りが届いてきました。
“肩の力を抜いて”、“Let it be(なるようになる)”と肩を叩かれたようです。

この「花だより」、100号に達しました。「医局員への手紙」(現:「学長からの手紙」)を書き始めて、20年間、212号(この他番外編7編)です。これと比べるとかなり早いペースでの執筆です。
途切れそうになることもありましたが、ここまで続けることができました。関係者に感謝です。
   (「学長からの手紙」 http://www.fmu.ac.jp/univ/daigaku/letter/index.html

「人生のすべてが簡単に運ぶのなら、自分のやりとげたことを誇らしく思う気持ちは味わえない」(サラ・パレツキー「サマータイム・ブルース」)ことを考えると、少し自分に納得できます。
若い時、自らに課した「愚直なる継続」を実践できた喜びでもあります。

「花だより」の切っ掛けは、ホームページ制作をして下さっているプロからの提案でした。
大学のフロントページに執務室の花を掲載しましょう、というのが最初だったように記憶しています。文章も、との提言を受けて、軽い気持ちで引き受けてしまいました。「医局員への手紙」も一緒にということで、今の形ができあがりました。

誰でも自分の人生を変えてくれた言葉や文章を持っている筈です。
私も“努力できるのも才能の一つである”という恩師の言葉で目覚めました。
行動は勿論ですが、他人の心に響く文章や言葉をいくつ書いたり言ったりすることができるかが、上司や師匠の条件の一つのような気がします。

これからの人生で、どれだけ心の底を打つ言葉に出会うことができるか…。
そして自分が、どれだけ自分を慕ってくれる弟子や部下、あるいは関係者を奮い立たせるような言葉を掛けてやることができるか、勝負の時間は余り残されていません。

今週の花材は、執務室は、色彩や姿形からミレーの「オフィーリア」を連想しました。
最近、ガラス製の大皿に花を横に置くのを、レストランなどでみかけます。
秘書室は、初冬の鈍色(にびいろ)の空に目にも鮮やかな立ち姿です。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■グロリオサ(ロスチャイルディアーナ)   ユ
リ科/球根植物/原産:アフリカ・熱帯アジア
/メラメラと燃える炎のような花姿。半蔓性植
物で他に絡まりながら成長するため、葉先が
巻きヒゲになる。
■アマランサス   ヒユ科/一年草/原産:
熱帯アメリカ/モコモコした小さな毛糸玉がつ
ながったような花姿。紐状に垂れ下がって咲
く。今回は赤と緑の二色を使用。赤「ハンギン
グレッド」緑「ハンギンググリーン」。
■ニシキギ   ニシキギ科/落葉低木/原
産:日本・中国・朝鮮/カエデ・スズランの木と
並ぶ世界三大紅葉樹。枝にコルク質の翼を4
方向につける。春に小さな花が咲き、赤い実を
つける。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1001.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

【秘書室】
■ケイトウ(房鶏頭)   ヒユ科/一年草/原
産:熱帯アジア/《名前の由来》花序が鶏冠(ト
サカ)に似ていることから/ケイトウは名前の由
来になっているトサカに似た花序の鶏冠鶏頭、
球形の花序をつける。「久留米鶏頭」、花序の先
が硬く尖る「槍鶏頭」など品種が豊富。「房鶏
頭」は羽毛のような花序をつけ、「羽毛鶏頭」とも
呼ぶ。理事長室で使用しているアマランサスも
「紐鶏頭」の別名をもつ。
■ピンクッション(ソレイユ)   ヤマモガシ科/
常緑低木/原産:南アフリカ/独特な花姿と南
国らしい色合いが特徴の個性的な花。待ち針の
ように見えるひとつひとつが雌しべ。「ソレイユ」
は淡いオレンジ色の品種。
■ヒペリカム(レッドバロン)   オトギリソウ科
/半常緑低木/花期は初夏で黄色い花が咲
く。切花では花後の実の状態で流通。「レッドバ
ロン」はピンクがかった赤色で大実の品種。
■(今回は本学の職員からも美しい花が届きま
した : 写真下)
※拡大写真(秘書室)
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1002.jpg
(本学職員からの贈り物)
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1003.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

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