HOME > 理事長室からの花だより

理事長室からの花だより

新着 30 件

一覧はこちらから

理事長室からの花だより

2010.07.02

vol.83  − 営み −

梅雨のこの時季、躑躅(ツツジ)や皐月(サツキ)(この違いが今も分かりません)、生垣に丹精込めて植栽された薔薇(バラ)もそろそろ陰りを見せています。早朝、紫陽花(アジサイ)だけが鮮やかさを一層際立たせています。
今年は、気のせいか道端に薊(アザミ)が目につきます。梅雨の雨足も、以前のそれとは違い、少し荒々しく、抒情性に欠けます。
新聞で菖蒲(アヤメ)や花菖蒲(ハナショウブ)の写真をみては、足を伸ばす時間がないだけに溜息をついている毎日です。

このところ毎日のように福島と東京を往復しました。
「さまざまの人にあひつつ疲れたる心にのこる清きひとすぢ(釈迢空)」、真にこのことを実感していますが、さすがに(当然?)身体が重く、もともと鈍(のろ)い頭の回転が、空回りどころか動き自体が悪くなり、イライラが募ります。いよいよ気力と体力の乖離(かいり)が始まったのかと嘆息頻りです。

先日、甲府に足を運びました。
仕事の前に山梨県立美術館に寄ってきました。有名なミレーのコレクションは勿論のこと、特別展(池田龍雄アヴァンギャルドの軌跡)を含め質・量とも、とてもさっと廻るというわけにはいきませんでした。時間切れで、後ろ髪を引かれる思いで美術館を後にしました。
以前みた渋谷のオルセー美術館所蔵のミレーの三大名画展のときの印象よりも、この美術館の展示はミレーの画が醸し出す穏やかな空気が室内全体を包んでいるようです。その他にもコローやクールベ(波のシリーズはいつみても感動します)、そしてミロ、贅沢の一語に尽きます。
地元出身の画家である近藤浩一路の「雨期」は心に残りました。

敷地の景観と建物(前川國男建築設計事務所)の調和も見事です。
外壁の茶色と木々の緑が、30年という歴史により絶妙な調和を醸しだしていました。庭は勿論、建物内部の手入れもきちんとされており、県の力の入れ方が分かります。
只、パンフレットのどこをみても建物自体はもとより、設計者と建物に込められた思想に触れていないのは勿体ないと感じました。

今週の花材は、執務室は緑と白の調和です。
いつみてもこの組み合わせは、清楚で気品があります。私は好きです。
秘書室は、一転、気力漲(みなぎ)る演出です。

(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■デルフィニュウム(オーロラホワイト)   キンポウゲ科/多
年草/原産:ヨーロッパ・西アジア/ブルー〜ホワイト系の花
色が豊富で、ヨーロッパを中心に250種位ある。「オーロラホワ
イト」はしっかりした茎に沢山の花を付けるジャイアント系。八重
咲きの白色で、上品で華やかな印象。
■オクラレルカ   アヤメ科/多年草/原産:トルコ/剣のよ
うに先の尖った長い葉。シャープなラインで勢いがあり、生け花
によく利用される。グリーンとして葉だけが流通しているが、ア
イリスの一種で紫色の花が咲く。
※拡大写真http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/83_1.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

【秘書室】
■ヘルコニア(ファイヤーフラッシュ)   バショウ科/
多年草/原産:熱帯アメリカ/赤やオレンジなど原色
の花色と、鳥の嘴を思わせる花形が特徴。「ファイヤ
ーフラッシュ」はヘルコニアの中で小型のタイプ。苞が
赤くやや丸みがあり、炎のように見えることが名前の
由来。他に「ファイヤーバード」や「ロブスター」などあ
り。
■木苺   バラ科/半落葉低木/原産:日本/ラズ
ベリーやブラックベリーなどの総称で木になる苺。春
には苺に似た小さな白い花が咲く。葉はヤツデのよう
に切れ込みが深い。
■ヒペリカム(ピンキーフレア)   オトギリソウ科/
半落葉低木/原産:ヨーロッパ・アジア/花後の実を
観賞する切花。実の色は豊富で、淡いピンク〜鮮や
かな赤、茶やグリーンもある。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/83_2.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

▲TOPへ