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耳鼻咽喉科学講座 医学コラム

会津嶺(小川 洋)

 会津医療センター耳鼻咽喉科では耳鼻咽喉科領域のなかでも手術が必要な疾患に対して積極的な治療を行って行くことを診療の一つの柱としています。手術で改善できる病態にはいろいろなものがありますが、その一部をご紹介します。

Q:鼓膜に穴があいていて良く聞こえません。風邪をひくと耳だれがでて困ってしまいます。
どうしたら良いでしょう?

A:当院では顕微鏡下に鼓膜を観察し、ビデオに記録します。単純な穿孔なのか、穿孔縁から皮膚が入り込んでしまう特殊な中耳炎なのか詳細に観察します。聴力検査を行ってどの程度聴力が悪化しているのか、確認します。側頭骨CTを行って耳の状態を評価します。
これらの検査をおこなって手術によって聴力が改善出来る可能性があるかないかを判断します。単純な鼓膜穿孔で穴をふさぐだけで聴力改善が期待できる場合には局所麻酔で2泊3日の手術を、病態が複雑で聴力改善が期待できないけれども放置すると顔面神経麻痺やめまいが生じてしまうような病態や聞こえのための小さな骨を作り直さなければいけないような場合には全身麻酔での手術を行っています。

Q:鼻づまりがひどくてお薬を使っているのですが、全然よくなりません。どうしたら良いでしょう?

A:鼻の中を内視鏡を用いて詳細に観察し、ビデオに記録します。鼻のなかにポリープはないか、腫瘍はないか、鼻中隔(鼻の真ん中の仕切り)の変形がないか確認します。CTで副鼻腔の病変がないかどうか確認します。アレルギーが関係しているのかどうかを鼻汁や血液で調べます。これらの検査を行ってお薬で改善できるのかどうか、手術が必要かどうかを判断します。手術が必要な方には内視鏡を用いて鼻の中から手術を行います。術後、ほほが腫れるようなことはまずありません。

 会津医療センター耳鼻咽喉科では耳、鼻、のどの病気で地域の耳鼻科の先生方と連携を取りながら手術が必要と考えられる患者さんに対して安心して治療が受けられる体制を整えていきたいと考えています。

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