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研修教育センター

training center

初期研修医プログラム

臨床研修委員会 委員長あいさつ

いかに賢く
経験するか

どうして山中が大学の教官をしているのか同級生たちは不思議に思っています。医学部の成績はひどいものでした。ポリクリ(臨床実習)中に一人だけ教授室に呼びだされ「卒業試験の成績をみたが、国家試験は大丈夫か」と心配してもらいました。病院見学でも「そんなにやる気がないなら医局で寝てろ」と救急外来での夜間診療に同行を許されなかった思い出があります。

卒業後に何人かの優れた臨床医に会い、良き臨床医を目指そうというモチベーションが次第に高まっていきました。なかでもK医師は私の憧れでした。約300床の中規模病院で、K医師は一人で心臓カテーテル術を行っていました。CPA(心肺停止)で来院した高齢者が歩いて退院する様子を何度か目撃し、臨床能力の高い医師の底力に驚きました。さらに、卒後15年目にアメリカ留学の機会を得てUCSF(カルフォルニア大学サンフランシスコ校)でLawrence Tierney教授から問診と基本的診察の大切さ、幅広く内科を勉強することの楽しさを学びました。

私は医学生や初期研修医にベッドサイドで教育をすることが大好きです。診断がついていない患者さんを一緒に診察します。彼らの診療を見学していると、「何でこれを聞かないんだよ~。攻めろ、そこで!」と不十分な問診に歯がゆく思うことがよくあります。検査の重要性をないがしろにするつもりはありませんが、最近の医学生や研修医は検査に頼り過ぎているように感じます。診断の80%は問診と基本的な診察で決まるのです。細かい観察力と医学知識を総動員して診断を推理する診断学は、探偵シャーロック・ホームズの推理のように華麗な芸術です。

人は全能力の30%くらいしか死ぬまでに使っていないと言われます。医学生、若手医師の皆さんには無限の可能性が眠っています。自分を信じてユニークな道を歩んで行って欲しいです。人が嫌がる仕事には宝の山が眠っています。どのような業務に対しても真摯に取り組むことほど大切なことはありません。ある程度の数の症例を経験しなければ、臨床能力はアップしません。しかし、数をこなせばよい訳ではないのです。医学教育の基礎を築いたWilliam Osler先生は次のように語っています。

The value of experience is not in seeing much, but in seeing wisely.

たくさん経験すればよいというものではない。いかに賢く経験するかが大切だ。

一つ一つの症例を振り返り失敗の原因を明らかにすることが、医師としての成長に大いに役立ちます。

総合内科学講座教授

研修教育センター長

山中克郎

プログラムの概要

名称

福島県立医科大学会津医療センター附属病院初期研修プログラム

特徴

外来診療・基本的な手技の習得にも重点を置いた実践的な研修
  • 1年目の4月の一か月間をオリエンテーションに充てています。院内の他職種の仕事を理解し、チーム医療を学ぶことが目的です。また同時にレントゲン写真の撮り方・緊急検体検査・グラム染色・処方箋の書き方・NST等も学びます。
  • 1年目の4月から指導医と共に週一回の当直を行います。上級医によって病名の決定した患者さんを受け持つのではなく、自分で診断し入院から検査・診断・治療まで一貫した研修が可能です。
  • ローテーション各科でも外来診療・基本的な手技の習得にも重点をおいた実践的なプログラムになっています。
  • 初期研修後のことも考えて、臨床上の疑問を自分で解決するSelf Learningの方法を身につけます。

活発な院内勉強会・カンファレンス

院内の勉強会・カンファレンスも積極的に行われています。研修医の希望で新規に行われる勉強会もあります。現在行われている主な勉強会・カンファレンスは以下の通りです。

勉強会・カンファレンス 曜日等 時間
整形外科/リハビリテーション科合同症例検討会 毎週水曜日 18:00~21:00
整形外科/リハビリテーション科合同抄読会 毎週水曜日 21:00~2:00
Neuro-Conference
神経内科、整形外科、リハビリテーション科が主体の神経カンファレンス。
毎月第4月曜日 18:00~21:00
心電図セミナー 月~金曜 8:00~8:15
漢方抄読会 月~金曜 8:00~8:20
ER勉強会 毎週月曜 18:00~
骨髄像検討会 毎週火曜 17:00~
消化器内科勉強会 毎週水曜 19:00~
総合内科勉強会 毎週水曜 18:00~
漢方勉強会 月3回
内科総合カンファレンス 毎週木曜 17:30~
外科抄読会 毎週水曜 18:00~19:00
週末カンファレンス 毎週金曜 18:00~
OnePointAdvice 当直の夜随時
スキル・アップ・セミナー 毎月一回土曜

院外の講習会・セミナーへの積極的参加

当院では当院のみの研修では不十分だと自覚しています。そのことから院外の学会や講習会・セミナーへの積極的な参加を推奨しています。また当院の研修修了の基準に学会発表・論文作成を設けています。そのための経済的な補助もしています。現在(2013年5月)当院研修委員会で参加を推奨しているのは以下の通りです。

  • 福島感染症勉強会
  • Fukushima Advanced Course by Experts
  • BSL・ACLS講習会
  • JPTEC・JATEC・PTLS講習会
  • TNT講習会
  • ERアップデート
  • IDATENサマー/ウインターセミナー
  • 肺癌診断会
  • 循環器フィジカルイグザミネーション
  • 講習会
  • 診断推論セミナー
  • リウマチ膠原病セミナー
  • 会津日新館=会津三病院合同勉強会
  • 各学会参加・発表

2012年度から会津日新館プログラムが始動しています

ここ福島県の会津地方には当院の他に会津中央病院様・竹田綜合病院様の3つの臨床研修病院があります。2012年度からは2年目の選択研修で、3つの研修病院から希望する科を選択して研修する事ができます。研修医にとっては、いいとこ取りのプログラムです。

例えば会津中央病院;救急救命センター+竹田綜合病院;小児科+当院;総合内科・漢方内科などの組み合わせで研修が可能です。

2012年度から新たに協力病院を追加しました

研修病院といえどもそのすべての診療科が研修医教育に関して十分であるとは言えません。選択の幅を広げることで研修医の多様な希望に応えることが可能です。
(※以下は2017年4月時点の協力病院)

内容・ローテーション

研修の方法

必修科目である内科・救急部門・地域医療に加え、病院独自のプログラムとしてオリエンテーション1ヶ月・外科2ヶ月を必修科としています。内科研修は内科総合プログラムとして、総合内科、循環器内科、感染症・呼吸器内科、血液内科、消化器内科、小腸・大腸・肛門科、糖尿病・代謝・腎臓内科、漢方内科を病棟単位で研修します。

また、選択必修科として、小児科・産婦人科・精神科の中から1科目以上を、そして選択科として当院の整形外科、皮膚科及び耳鼻咽喉科、並びに会津中央病院、竹田綜合病院、太田西ノ内病院、会津西病院、福島県立宮下病院、福島県立南会津病院、只見町朝日診療所、南相馬市立総合病院、福島県赤十字血液センター、福島県会津保健福祉事務所、自治医科大学附属病院における選択診療科を用意しています。

研修目標と経験目標に沿って行いますが、形成的評価を研修の途中および終了時に行い、各個人に適した目標と指導方法を、研修医と指導医で模索していく研修方式を採用しています。

研修の方法

最初の1ヶ月間はオリエンテ-ションを行い、病院の役割や施設・設備を理解し、社会人としてのマナー等を身につけていただきます。また、チーム医療としての各職種間のコミュニケーションを実践し、さらにカルテ、処方箋、診断書等の記載法も習得します。

そして、この期間に各診療科(内科総合、外科、精神科、整形外科、耳鼻科、皮膚科、歯科・緩和医療科)で、問診法・診察法を身につけます。

その後、一つのグループでは6ヶ月間は内科総合に所属し、内科新患を担当し、新患から入院となった患者様の中から指導医が適切と思われる症例の担当医となり、全経過を経験します。その後当院独自のプログラムで、麻酔科を1ヶ月、外科を2ヶ月研修します。もう1つのグループは麻酔科1ヶ月、外科2ヶ月を先にローテーションし、その後内科総合で6カ月間研修します。ここまでの10ヶ月間で、疾患だけ診るのではなく、患者様を、さらにはその御家族までを「全体」として診る態度を身につけます。

救急部門は会津中央病院救急救命センター・太田西ノ内病院救急麻酔科・福島県立医科大学附属病院救急科の3施設から3ヶ月もしくは同3施設2ヶ月+当院救急部門1カ月を選択して研修します。

また、地域医療は、福島県立宮下病院、福島県立南会津病院又は只見町国保朝日診療所+南相馬市立総合病院にて1ヶ月以上研修します。

次に、小児科・産婦人科・精神科の選択必修科の中から1科目以上を、各1ヶ月以上研修します。

この他、選択科を設けており、必修と選択必修の各科及び当院の整形外科・皮膚科・耳鼻咽喉科、並びに会津中央病院、竹田綜合病院、太田西ノ内病院、会津西病院、福島県立宮下病院、福島県立南会津病院、只見町国民健康保険朝日診療所、福島県赤十字血液センター、福島県会津保健福祉事務所、自治医科大学附属病院及び福島県立医科大学附属病院+南相馬市立総合病院の選択診療科の中から研修医が選択して6~9ヶ月間ローテーションできるようにしています。

臨床研修体制

責任者及び研修委員会

病院長が最終責任者となり、研修終了の認定を行います。
臨床研修委員会+臨床研修運営部会を設置し、研修の管理、進路相談など研修医を支援いたします。

指導医

指導医は、臨床経験7年程度の各学会の専門医で、プライマリ・ケアを中心とした指導を行える十分な能力を有するものが当たります。必修科および選択科の指導医1人につき1名の研修医を指導いたします。また、メンター制度も導入しています。指導にあたっては、自己評価および指導医と院内他職種の形成的評価をもとに行い、臨床研修運営部会・研修委員会を定期的に開催します。
さらに、指導医の形成的評価も行い、研修医と指導医の質向上を図っていきます。

研修の評価方法

研修記録簿に研修の記録を記入します。そして、担当指導医ならびに卒後臨床研修委員会による評価の際には、自己評価を記入し、提出します。また、当院独自の修了基準として学会発表または論文作製があります。

研修委員会において、各科の経験目標について、自己評価、指導医および院内他職種(看護師、薬剤師、医療技師、事務等)の形成的評価をもとに総合評価を行います。その結果を踏まえて、研修医および指導医にさらなる向上のための指導を行います。

2年後の研修の終了にあたり、今後の各個人の努力目標について、指導医とともに追求します。形成的評価を重要視し、基本的には総括的評価は行いません。最終的に臨床研修委員会で総合的評価を行い、病院長に上申します。病院長は研修を終了したと認定された研修医に対して、病院長名で臨床研修修了認定証を授与し、この臨床研修修了認定証の交付をもって、臨床研修終了とします。

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