救命救急

救命救急センター

当院は三次救急医療機関として、迅速な診断・治療を要する重症の救急疾患に対し、24時間体制で診療を行っています。さまざまな循環器疾患による救急患者さんをいつでも受け入れられるよう、救急科と循環器内科が緊密に連携し、また看護師や臨床工学技士、放射線技師と協力して対応しています。さらに、広域からの重症患者さんを早期に受け入れるため、ドクターヘリによる搬送体制も整えており、現場での初期対応から当院到着後の集中的な治療まで切れ目のない救急医療を提供しています。治療の対象となる主な循環器疾患には、急性心筋梗塞、急性心筋炎、急性心不全、肺血栓塞栓症、重症不整脈などが含まれ、迅速かつ的確な診断と集中治療を通じて、患者さんの救命と社会復帰を目指しています。

急性心筋梗塞に対する早期治療の取り組み

急性心筋梗塞は、冠動脈が急に閉塞し、そのまま放置すると心筋が次々と壊死していく病気です。そのため、1分でも早くカテーテル治療で血流を再開させることが極めて重要です。当院では、24時間365日、いつでも緊急カテーテル治療が可能な体制を整えています。

一方、病院到着から治療開始までの時間を短縮するため、当院では「SCUNA」という心電図伝送システムを導入しています。救急隊が救急車内で記録した心電図データをクラウド経由で当院へ送信し、医師がリアルタイムに近い形で心電図を確認します。救急車が到着する前の段階で急性心筋梗塞を強く疑うことができれば、カテーテル室の準備やスタッフ招集など、緊急カテーテル治療の体制をいち早く整えることが可能になります。このようなシステムを活用することで、「発症から血流再開までの時間」の短縮を図り、救命率の向上と心機能の温存を目指しています。

心原性ショックに対する機械的循環補助

心臓のポンプ機能が著しく低下し、全身の臓器に十分な血液を送り出せなくなった状態を心原性ショックといい、死亡率が高く、極めて重症度の高い病態です。薬剤による治療だけでは循環を保てない場合、心臓の働きを補助するための装置を体内に挿入してサポートする「機械的循環補助」が必要となることがあります。代表的な方法としては、大動脈内バルーンポンプ(IABP)や体外式膜型人工肺(ECMO)などがありますが、当院では2020年より、適応のある心原性ショックの患者さんに対して補助循環用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA®)を用いた治療を行っています。

IMPELLA®は、先端の小型ポンプを左心室内に留置し、心臓の内部から血液をくみ出して大動脈側へ送り出すことで、全身臓器への血流を確保しながら、傷んだ心臓の負担を軽減できる循環補助装置です。必要に応じてECMOと組み合わせて使用することで、最重症の患者さんに対する集中的かつ高度な治療を提供しています。

文責:清水竹史

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