経カテーテル的僧帽弁接合修復術(クリップ術)
(M-TEER: Mitral Transcatheter Edge-to-Edge Repair)
M-TEERは僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する治療として2018年4月から国内で施行可能となり、当院では2022年2月から治療開始となりました。2025年12月までで51症例の治療を行っています。従来、僧帽弁閉鎖不全症の根治治療は外科手術(形成術・置換術)が主体でしたが、高齢の方や、併存疾患がある方、心機能の低下の程度などから外科手術が難しい方も数多くおられます。しかしM-TEERは開胸手術をせずに大腿静脈からカテーテルに付属したクリップ(マイトラクリップ: MitraClip®)を用いて僧帽弁の逆流を制御することが可能で、患者さんの身体的負担は少なく手術リスクが高い患者さんにも行うことが可能な治療です。
僧帽弁疾患の有病率は大動脈弁疾患の3-5倍程度とされており、さらに心不全患者さんの5人に1人は中等度以上の僧帽弁閉鎖不全症を有するとされています。 僧帽弁閉鎖不全には弁自体に異常がある器質性(一次性)MRと弁自体には異常がなく、左室拡大・乳頭筋不全・弁輪拡大に伴って逆流を生じる機能性(二次性)MRがあります。

器質性(一次性)
機能性(二次性)
マイトラクリップを用いた僧帽弁形成術は器質性・機能性ともに適応となり、左室駆出率が20%以上・症候性高度僧帽弁閉鎖不全(3+~4+)患者さんで外科手術が困難な方を対象とします。
適応について
特に機能性僧帽弁閉鎖不全は血行動態や水分バランスによって逆流の程度が大きく変動するため、簡便に適応となる患者さんを見つけることが難しい疾患です。具体的に下記のような方は適応となる可能性がありますので、ぜひご紹介ください。

マイトラクリップを用いたM-TEERは、大動脈弁に対して介入するTAVIに近い治療と思われがちですが、僧帽弁の治療というよりは、心不全の治療選択肢の一つというイメージをお持ちいただき、心不全患者さんで困っている方を広くご紹介いただければと思います。紹介の際、僧帽弁閉鎖不全が捉えられている経胸壁心エコーがあれば他検査は不要です。ご紹介いただいた症例は当院ハートチームで症例検討を行い、M-TEERの適応かどうか判断し治療を行っていきます。
実際の治療


当科へのご紹介について
当院は特定機能病院であるため、原則として地域の診療所・病院からのご紹介による「事前予約制」となっております。
受診予約 患者サポートセンター (TEL 024-547-1074)
【外来】
火曜日(AM):小林 淳、及川 雅啓
木曜日(AM):横川 哲朗(弁膜症新患外来)
金曜日(AM):佐藤 彰彦
患者サポートセンターを介して予約いただいても、直接佐藤彰彦まで連絡いただいてもかまいません。
ご紹介いただいた際には迅速に対応させていただきます。
文責:佐藤彰彦

