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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2009.05.11

vol.30  − 散る花弁に心寄せて −

公務で市内から大学へ戻る車中で、どこからともなく桜の花弁が道路上に舞っていました。花吹雪という程ではなく、それだけに青空を背景にしてその景色は、運転している人達の顔を、心做(な)しか穏やかにしているように見えました。

散る桜といえば、福島の現在の会津若松を黒川から若松と改名し、また、桃山時代を代表する名将の一人として名を残している蒲生氏郷の辞世の句が頭に浮かびます(限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心短き 春の山風)。
彼は、司馬遼太郎が愛しく書き残している“日本の武士道の典型としての会津藩”の礎を築いた人物です。この句は、辞世の句として常に引用される程、人口に膾炙しています。会津の人達は、この句とともに今も彼を慕っています。
散る桜と入れ替わるように、福島は花水木(はなみずき)が満開です。
世の中の世代交代や無常をみるような想いがします。

最近、夜、あるいは仕事の合間にカネミツ・マツミ(金光松美)の追悼遺作展のカタログをよく繙(ひもと)きます。
私が彼の存在を知ったのは、1998年に講演で広島に寄った際に、広島市現代美術館で開催されていた遺作展でした。
Cloud(雲)や
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/30_cloud.jpg
Summer Night(夏の夜)
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/30_summer_night.jpg
などを寝る前にみると心が落ち着きます。


( 福島県立医科大学理事長 菊地臣一 )

※[カネミツ・マツミ/金光松美]展図録『KANEMITSU,MATSUMI』より許可を得て転載しております。

今週の花


【理事長室】
■オーニソガラム(マウントエベレスト)
ユリ科 球根植物
原産:ヨーロッパ・南アフリカ
約100種あり日本には明治の終わりに渡来。
星型の花がピラミッド状に次々と咲く。
丈夫で水上がりも良く、1ヶ月位楽しめる。
マウントエベレストは白色でピラミッド状。
他に黄色やオレンジの花色や草丈の短いタイプや放射状に広がって咲く品種などあり。

■ビバーナム(スノーボール)
スイカズラ科
落葉低木
別名:セイヨウカンボク テマリカンボク
原産:ヨーロッパ・東アジア
紫陽花に似た花姿で小花が密になり10cm程の球形になる。
鮮やかな明るいグリーンの蕾が咲きすすむと白花になることから「スノーボール」。
枝がしなやかなので、花は少し垂れ下がるように咲く。
寒さにも強く丈夫で庭木としても人気がある。
※拡大写真http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/30_zoom1.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

【秘書室】
■サマースィートピー(宿根スィートピー)
マメ科 多年草
原産:ヨーロッパ
明治初期に渡来。
普通のスィートピーより花弁が厚く丸みをおび、豆本来の花姿に近い。
草丈も長く、葉や蔓がついた状態でダイナミックな印象。
蔓性植物なので茎自体はしなやか。

■カラー(ガーネットグロー)
サトイモ科 球根植物
原産:南アフリカ
別名:オランダカイウ
一見花に見える漏斗(ろうと)状の部分は苞で、苞の中の棒状が花序(かじょ・枝上における花の配列状態)。
ガーネットグローは落ち着いたピンク色の人気種。

■スカビオサ
マツムシソウ科
別名:セイヨウマツムシソウ
原産:ヨーロッパ
明治初期に渡来。
日本に自生する松虫草と同属で約80種ある。
松虫草に比べ、花が大きくこんもりとして、花色も豊富。
矮性(わいせい)種は花壇などにも人気。

■黄葉テマリシモツケ
バラ科 落葉低木
原産:北アメリカ
別名:金葉コデマリ
《別名の由来》コデマリに似た白い花を咲かせることから
黄〜ライム色のきれいな葉色が特徴。
生け花でよく利用される。
※拡大写真http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/30_zoom2.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

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