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平成29年度 学位記授与式(卒業式) 学長式辞  (平成30年3月21日)

   

本日ここに学位を授与された、大学院修了生、学部卒業生227名の諸君に福島県立医科大学の教職員を代表して心からお祝いを申し上げます。
あわせて、今日の学位記授与式を迎えるまでのご家族および関係者の皆様よりいただいた数々の厚いご支援に対し、心より御礼申し上げます。

さて、諸君は本日より、医療のプロフェッショナルとして社会で活躍をすることになります。
これまでも研修や実習を通して多くの医療現場を経験してきたでしょうが、その場は大学の教育の一環としてあつらえた場にすぎません。そして教育であればこそ、分からないことは教員が手取り足取り丁寧に教えてくれ、間違いを、決定的な誤りとなる前に正してくれました。
しかし、これからは自らの責任の下で、課題解決のために試行錯誤を繰り返すことが求められます。諸君は、医療現場に登場できる最低基準をクリアーしたと認められたからこそ、今日この場にいます。しかし、現実の社会は、あつらえられた教育の現場のようには行きません。ありとあらゆる例外と特例、理不尽で満たされているのが普通です。そのような現実の中で、これまで経験したことのない困難や課題を前にしたとき、諸君はいかに対応するでしょうか。
最も問題であり危惧するのは、周囲とも連携せず、これまでの経験、成功体験を基に頑固に「我(が)」を押し通すことです。諸君にはそれぞれ医療のプロフェッショナルになるまでの経験があり、自信があり、プライドもあります。しかしそのような利点が時として特にプロフェッショナルの場合は視野を狭くし、頑固にさせることがあります。頑固というのは、年寄りの専売特許ではありません。ある歴史小説家が述べています。「年齢が頑固にするのではない。成功が人を頑固にする。成功者であるが故の頑固者は、成功によって得た自信が、別の道を選ばせることを邪魔する」と。

「驕れるものは久しからず」など、今日、この場で大(だい)の大人(おとな)である諸君に贈る言葉とするのは、ふさわしくありません。
しかし、わが国では、現実に、国を代表するブランドを持つまでに成功した電機メーカーが海外企業に買収されるといったこともありました。皆さんが高校生のころには思いもつかなかったことが現実に起きているのです。医療の現場においても同じです。例えば、AIの医療分野への応用は今後加速度的に進むとされています。AIに医療の何ができて、何ができないのか、医師に取って代わられるのかといったことを、お話するつもりはありません。
ただ、医療とそれを取り巻く環境に大きな変化、進化の波が押し寄せてくることは間違いのない事実であり、それに直面する皆さんは、謙虚に、かつ、しなやかな対応をしないわけにはいかないのです。今の成功が皆さんの立場を保証する期間はほんのわずかでしかありません。だからこそ、諸君がプロフェッショナルとして社会に出る今、肝に命じてください。「成功は人を頑固にする」ということを。

社会は時間の経過と共に必然的に変化をしています。その社会に属し、向き合う私たちが変化しないわけには行かないのです。変化はストレスです。
しかし、頑固に過去の成功体験にしがみつき前例踏襲を繰り返し、社会の変化に向き合わなければ、社会から取り残されてしまいます。そして取り残されていることに気付かないプロフェッショナルは、もうプロとは言えません。裏返せば、絶えず変化をしていることがプロフェッショナルの条件です。

授業で何人かの先生が、ダーウィンの話をされたと思います。生き残るものは、最も強いものでも、最も知的なものでもない。変化に最も適応したものだけである。
福島もまた、7年間の復興の取組みの過程で見出したのは、過去にない、新しいシステムであり、組織であり、取り組みでした。過去に例のない災害からの復興の過程では、倣いたい前例など無かったのです。
諸君は、そういう福島から、医療のプロフェッショナルとしてのスタートを切ります。ぜひ、前例のない新たなチャレンジに果敢に挑んでください。変化を避けるのではなく、プロフェッショナルであるからこそ、幾多の困難に柔軟でしなやかな発想力で立ち向かってください。そしてイノベーションの旗手としてそれぞれのジャンルのトップランナーになること、すなわち新たな前例を作り出すキーパーソンとして活躍することを期待しています。

 

 

平成30年 3月 21日
福島県立医科大学 学長  竹之下 誠一


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