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令和2年度学位記授与式(卒業式) 学長式辞  (令和3年3月25日)

令和2年度学位記授与式の様子1 令和2年度学位記授与式の様子2 令和2年度学位記授与式の様子3

本日ここに学位を授与された、大学院修了生35名、学部卒業生207名の諸君に、福島県立医科大学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。併せて、本日の学位記授与式を迎えるまで、ご家族、および関係者の皆様よりいただいた数多くのご支援に対し、厚く御礼を申し上げます。

諸君の大学生活の最終年度となったこの1年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本のみならず、世界全体は大きな変化に見舞われました。対面講義ができず、実習が限定され、論文の指導さえ従来のようにできないなど、当たり前だったことが当たり前でなくなりました。そして、どこへ行っても誰もがマスクをして歩いているなど、1年前にはありえないと思っていたことが、当たり前に感じられるようになっています。
 このような状況の中で多くの試練と困難を乗り越え、この日を迎えた皆さまの努力に深く敬意を表したいと思います。
 そしてようこそ、医療のプロフェッショナルの世界へ来ていただいたことを、心より歓迎いたします。

諸君は、本日をもって、大学という定められた枠の中で学ぶ環境から出ていきます。諸君は今「自由」という言葉の心地よい響きをしみじみと噛みしめているかもしれません。しかし、水を差すようですが、実は、自由ほど使いこなすのに難しいものはありません。なぜなら、自由には必ず、それを享受するためにトレードオフの関係となる義務あるいは責務が伴うからです。
 諸君は、これから一人の医療のプロフェッショナルとして、自身の責任のもとで考え、判断し、行動する自由を手にします。しかし、同時に、これからも常に学び続けるという責務を負います。日進月歩で進化する医療の知識や技術を、日々、自分の中でアップデートするという責務です。しかもそこには、これまでのようなカリキュラムなどありません。自ら問題意識を持って学ばなければならないという厳しい責務です。
 医療人となる以上、これからも学び続けることをやめることはできない、ということ。それが医療人としての責務のひとつであることを、決して忘れないで下さい。

そしてもう一つ、医療人は、いずれ医療や保健の現場でリーダーシップを発揮せざるを得ない宿命を負っています。ですから、将来のリーダーとしての覚悟とそして学びも、諸君の責務のひとつであることを自覚しなければなりません。
 誰もが思い浮かべる典型的なリーダー像とは、チームの先頭に立って前進する人物でしょう。目標を設定し、その目標達成のために最善の判断をする力、判断をきちんとチームに説明し納得させる論理的なコミュニケーション能力など、諸君が養うべきリーダーとしての課題はたくさんあります。
  しかし、今は多様性の時代。ひとつの目標にひとつの対応で皆が一致団結するばかりではない時代です。そんな時代に新たに必要とされるもうひとつのリーダー像があります。それはチームの最後尾に陣取って進むリーダーです。最後尾にいるのにリーダーとは言葉としてはおかしいのですが、戦国時代の「しんがり」のようなものです。このリーダーは、敢えて意見をひとつにまとめることはしません。ひとつひとつの意見を丁寧に理解し、実行させ、最後尾からマネジメントするのです。自分が先頭に立って前進するのではなく、最後尾からチームの誰かが遅れを取っていないか、行き詰っていないか、他の意見に合流するなら合流させる、といったマネジメントを行い、チームの皆が目標に向かって一歩一歩前に進むことをサポートするのです。

皆さんが生きるこれからの時代は、個人の意見や考えを尊重する流れがますます加速し、多様性が増す新しい時代となることは間違いありません。そのような環境の中で、単に先頭を走るリーダーシップだけでは、チーム全体をまとめていくことは至難の業となります。時にチーム全体を下から支えていくリーダーシップも必要な時代となることを、ぜひこの機会に心に留めておいてください。
 『多様性を尊重する』とは、単にたくさんの意見があるということを指しているのではありません。それぞれの意見を理解し、ひとつひとつ肯定できて初めて、多様性を尊重すると言えるのです。震災から10年、本学が絶えず諸君に伝え続けてきた、「しなやかさ」こそが、私たちには今、何よりも求められているということだろうと思っております。

今日から始まる諸君の新しいスタートにあたり、さらなる研鑽と幅広い視野、しなやかな思考で世界を見通し、将来にわたり実り多いものとなることを祈念し、はなむけの言葉といたします。

令和3年3月25日
福島県立医科大学 学長
竹之下 誠一

事務担当 : 教育研修支援課

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