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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2008.10.12

vol.10  − 勇気と老い −

夢を語るよりも、想い出に浸ることの多い「老人」に属すると、どうしても心は守りに入ってしまいます。恐怖や脅えを胸に押し込んで、学んで得たことを提示するのが医師としての勇気(青春)と信じて、職務の合間に勉強を続けています。「烈士暮年、壮心已まず」の心境です。

こんな気持ちで頑張っていると、要らざる厄介事が起きるのが世の常です。リーダーシップをとると必ず波風が立ちます。歳を取ると、この波風に間髪を入れず立ち向かうことが億劫になります。でも、それに怯(ひる)んだら、第一線を退くべきだとも思います。
そう思う一方「警鐘を鳴らす奴は、いつも安全なところにいる(セルバンテス)」とか、「ろくに炎を目の当たりにせずに、火について他人に語る人(スコット・トゥロー)」といった警句が脳裡に浮かびます。

そんな時は、「秋風、行きたい方へ行けるところまで(山頭火)」の心境で、青空の下に一時身を置き、海岸で夕陽の沈むのを見ている自分をイメージして心騒ぎを静めます。
勤務中であれば、広い砂浜、青空、そして海を切り取ったポートレート(ロンドンのホテルで雑誌を見ていて感動した写真です。すぐに電話を入れ購入してしまいました)と、ルネ・マグリットの「大家族」のリトグラフを見て気分を転換しています。
こんな時のBGMには、ロジャー・イーノのVoicesがぴったりです。

10月7日(旧暦9月9日)は、重陽(菊)の節句でした。最近では、菊の品評会にその名残があるだけですが…。
今週は、職員から自宅の庭の薔薇が届きました。この花は、人の心を華にしてくれます。山川登美子の「薔薇もゆるなかにしら玉ひびきしてゆらぐと覚ゆわが歌の胸」がふさわしいでしょうか。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■小紫
クマツヅラ科 落葉低木
《名前の由来》紫式部を小さくしたところから。別名:小式部
原産:日本・中国。6〜7月頃に薄紫の花が咲き、10月頃に紫の実をつける。紫式部がまばらに実がつくのに対し、小紫は枝に沿ってまとまって実を付ける。白い花が咲き、白い実を付ける白式部もある。

■リンドウ
リンドウ科 多年草
セプテンハイジという名前のピンクリンドウ。この他、ブルーハイジ、ホワイトハイジなどもある。リンドウは陽が当たると開花し、夜になると閉じる。


【秘書室】
■梅モドキ
モチノキ科 落葉低木
《名前の由来》 葉の形が梅に似ていることから
別名:落霜紅。6月頃に薄紫の小花を咲かせ、9〜10月頃に赤い実をたくさんつける。まとまりのよい樹形で、庭木としてよく利用される。

■ワラタ
ヤマモガシ科 常緑低木
《名前の由来》オーストラリアの先住民アボリジニの言葉で「赤い花」
原産:オーストラリア。シドニーオリンピックで授賞式の花束に使用された。9月9日付vol.6「花だより」(理事長室分)で使用した、バンクシアと同様のヤマモガシ科の花で、独特な花姿が特徴。

■ドラセナ(レッドエッジ)
リュウゼツラン科
切花用に栽培されている品種。レッドエッジは名前の通り、葉のフチが赤いドラセナ。他に赤いドラセナはアイチアカやアトムなどあり。花瓶にずっと活けておくと根がでて、鉢植えにすることも可能。


【職員からの贈りもの】
さまざまな品種のバラでつくられた花束。
○ アプリコット(薄ピンク)…「琴音」 ○橙…「常夏」 ○赤…「タイムレス」咲き終わってもすぐに芽が出て次の花が咲くことから。 ○黄…「伊豆の踊り子」 ○黄&橙…「ザンガーハウザー」葉につやがある。「ユビレウムスローズ」 ○ピンク…「わらべ唄」 ○白…「ファビュラス」素晴らしいという意味。


(写真:伊藤俊一 氏)

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