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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2012.05.25

vol.174  − 人生の四季 −

出勤時、飛翔するツバメをみました。
雨雲の下、2羽のツバメが、空というカンバスを切り裂くように舞っていました。
その軌跡はルーチョ・フォンタナの作品のようです。
   (vol.134 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=167
   (vol.161 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=195

去年、庭に入れた真紅の花桃(ハナモモ)が、細い木ながら見事な花をつけてくれました。
新しい生命の始まりです。ここが終(つい)の住処(すみか)になるといいのですが。花桃は、庭の木としては一段下に位置づけられているようですが。

北海道では、この時季、ライラック(リラ)の季節だと思います。
福島では4月には咲き出します。私の世代は、シャンソンの「リラの花咲く頃」です。

         家ごとにリラの花咲き札幌の
         人は楽しく生きてあるらし
                             (吉井 勇)

札幌の大通西一丁目から十二丁目に40本のライラックを札幌福島県人会が寄贈しています。大通西六丁目北側の記念碑には昭和34年5月30日の日付が入っています。
会津藩の人々にとって、津軽や北海道は決して忘れ得ない地です。数多くの哀しい話が今に伝えられています。

先月、5年間務めた学会の理事長の職を任期満了により退任しました。理事長としての最後の学会は久留米でした。先年、国際学会での会長職の最後はノルウェー、ベルゲンでした。
前者では、石橋美術館の膨大なコレクション、後者ではオスロにあるフログネル公園でのグスタフ・ヴィーゲランの彫刻群、これらをみての任期終了は、幸運でした。

任期中に発生した原発事故の対応では、「世の中には、いつまでも変わらずに続くものなどない」という“無常”の箴言(しんげん)を自分に都合良く解釈して、希望の灯にしての歩みでした。
任期中、人生の四季への意識、と同時に、組織の発展には、次代への引き継ぎと“We must change to remain the same”(映画「山猫」)という認識、を胸に刻んで務めました。
任を退く時問われるのは、次代を担う者達を育てられたか、時の評価に耐えられる何かを残したか、この2点に尽きるように感じました。

5月20日(1978)、成田空港が開港した日です。
遙か昔、海外へ修業に旅立ったのが羽田空港でした。当時は、赤い絨毯(じゅうたん)が出国ゲートに敷かれていた記憶があります。
帰国した時は成田空港でした。迎えに来ていた母が私の顔貌(がんぼう)の余りの変わり様に、私が名乗るまで気付かなかったのが想い出されます。
「外形は内容を規定する」と言います。環境は、人間を内面だけでなく外面まで変えてしまうものだということを教えられました。

振り返ってみて、英語が全くできない、留学資格を持たない、という無鉄砲な態(なり)で海外へ飛び出した自分に驚きます。これが若さだったのだと、今なら分かります。

年齢や地位とともに求められる役割は変わります。
この先、私に求められている役割はあるのでしょうか。あるとしたら何かを探す旅が続きます。


(福島県立医科大学理事長  菊地臣一)

※編集註:今回は「今週の花」活け込み前、海外出張直前に執筆した原稿のため、お花についてのコメントがありませんことをご了承ください。

今週の花


【理事長室】
■カラー〔グリーン〕   サトイモ科/球根植物/原産:南ア
フリカ/江戸時代にオランダから渡来し「阿蘭陀海芋」(オラ
ンダカイウ)の別名を持つ。花弁のように見えるメガホン状の
部分は苞で、その中に棒状の花序がある。
■ファレノプシス   ラン科/原産:熱帯〜亜熱帯日本では
花姿が蝶に似ていることから胡蝶蘭と呼ぶ
ご贈答用の高級花として知られ、開店祝いや就任祝いなど
にかかせない花。
■オンシジュウム〔ハニーエンジェル〕   ラン科/原産:中
南米/無数の蝶が舞い飛ぶような花姿で、「バタフライオー
キッド」とも呼ばれる。約400種が熱帯亜熱帯地域に
分布す
る蘭。「ハニーエンジェル」は一般的なオンシジュウムにある
斑点のない綺麗な花色。
■オカトラノオ(岡虎ノ尾)   サクラソウ科/多年草/日当
たりのよい野山に自生。花期は夏で茎頂に円錐状の花序を
つけ、白い花を咲かせる。名前は花序の枝垂れた様子がトラ
の尾に似ていることから。
■ドラセナ〔サンデリアーナ〕   リュウゼツラン科/原産:熱
帯アフリカ/笹のような細長い葉とストライプの斑が特徴。原
産地では4〜5mにもなる。日本ではテーブル観葉としてハイ
ドロカルチャー等のミニサイズが人気。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1741.jpg

【秘書室】
■ピンポン菊   キク科/多年草/ピンポン玉のように真ん丸に
咲く菊。花持ちの良い菊の中でも特に長く楽しめる。
■ブルースター   ガガイモ科/多年草/原産:ブラジル/ベル
ベットのような質感の花と産毛に覆われた葉が特徴。今回は白色
品種の「ホワイトスター」を使用。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/1742.jpg

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