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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2008.09.30

vol.9  − 折り合い −

このところ私は、「逃れられぬ客なら笑って迎えよ」の気持ちで日々臨んでいます。
「どうせ悲しい人の世ならば、せめて楽しいふりをしよう」と、シェークスピアも劇中の人物に言わせています。
組織の管理職に就くと、何か問題が起きた場合に、利害の相反する関係者が満足はできなくても、せめて納得できる落とし所を見つけるのも仕事の一つです。

人間とは弱いもので、誰かを友と思わずには生きてはゆけない動物のような気がします。
人生の道々での決断や選択は、必ず後悔や挫折を伴います。そんな苦しみや哀しみが人間を磨き、勁(つよ)く、そして優しくしていくのですから、厄介な生き物です。こんなことを繰り返しながら老いていくのだと最近気がつきました。

学生時代、レコードが擦り切れる程聴いた「レフト・アローン」や「オール・アローン」を、この歳で、秋の深まる今聴いてみると、昔とは違った感情が心の中に満ちてきます。

月みれば千々にものこそかなしけれ我が身ひとつの秋にはあらねど (古今和歌集 大江千里)


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■UFOピーマン
ナス科
《正式名称》 カプシクム・バッカツム
南アメリカ原産。実の形がUFO型でプラプラ飛んでいるように見える。グリーンの実もだんだん赤になる。「UFOピーマン」と呼ばれているが、実はトウガラシの仲間で、ハバネロ級の辛さ。

■クロトン
トウダイグサ科 常緑低木
肉厚な葉っぱ、長い間鮮やかな葉色を楽しめる。葉色、葉姿ともに多様で、鉢植えでも人気がある。


【秘書室】
■タカノハススキ
イネ科 多年草
《英名》ゼブラグラス
一見弱々しくみえるが、非常に生命力の強い植物。葉に黄白色の斑が入り、横縞模様になるのが特徴。他、縦に白い縞が入るシマススキや葉の細いイトススキなどある。
○ススキの歌
「山は暮れて野は黄昏の芒(すすき)かな」(与謝蕪村)

■ユリ(シベリア)
ユリ科 球根
大輪の白ユリ。シベリアは、カサブランカと見分けがつかないようなユリ。開花した花の大きさがカサブランカよりちょっと小ぶりで、上向きに咲く。他の花とあわせて飾る場合は、シベリアの方が使いやすい。

■ピンポン菊
キク科 多年草
まん丸に咲く可愛い菊。菊は切花の中でも花持ちがよい品種だが、その中でもピンポン菊はダントツに長持ちする。


(写真:伊藤俊一 氏)

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