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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2008.09.25

vol.8  − 彼岸 −

彼岸を迎えると、いよいよ秋です。
季節の節目節目に、先祖や自分に縁のあった今は亡き人々に想いを馳せ、自らをも省みることができる我が国のこのような慣習は、先人の知恵でしょうか。
日々の営みでは、この時期は衣更えの時期です。これも季節を意識させる良き伝統です。袷を出して、心を切り替え、仕立て直しをした着物に袖を通すと亡き父母を想い出します。私にとっての着物は、「公」と「私」を切り替える儀式でもあります。

この季節になると、私は何故か中村岳陵の「残照」(静岡県立美術館蔵)を想い出します。厳しく屹立している葉を落とした雑木林に焦点を当てると冬を感じさせてくれますが、私は茜色に染まった空に秋を感じてしまいます。
こんな夕暮れには、ジョン・フィールドの奏でる「ノクターン」をBGMにすると心が落ち着きます。


(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■デンファレ(リッチブルー)
ラン科 デンドロビュウム属
《正式名称》デンドロビュウム・ファレノプシス
《名前の由来》花の形が胡蝶蘭(ファレノプシ
ス)に似ていることから
正式名称を略して通称デンファレ。暑さにも強
く、花持ちが良い。

■スチールグラス
ユリ科
ワイヤーのように細く硬い葉。水揚げが良く長
持ちする。8月26日付vol.4「花だより」(理事
長室分)に使用したベアグラスに似ているグリ
ーン。


【秘書室】
■トウガラシ(フリースドルフ)
ナス科 一年草
観賞用のトウガラシの一種。フリースドルフはパプリカを小さ
くしたような実。今回は黄色を使用しているが、赤・オレンジ
もある。

■風船唐綿
ガガイモ科
南アフリカ原産
夏期は8〜9月頃で、小さい白い花を咲かせる。主にとげと
げした風船のような実を花材として使用。実は熟すとパカッと
割れて種を飛ばす。

■千日紅
ヒユ科 一年草
熱帯アメリカ地方原産。17世紀に渡来。
名前の通り花持ちが良く、ドライフラワーにも最適。鉢植えも
開花期が長く、プランターや庭植えにも人気の花。


(写真:伊藤俊一 氏)

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