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理事長室からの花だより

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理事長室からの花だより

2010.09.24

vol.93  − 能登の海 −

出勤時、朝顔(アサガオ)が“つるべ”ならぬフェンスの金網に巻き付いて、朝の清々しさを演出してくれているのを見つけました。その側には芙蓉(フヨウ)が大輪の花を咲かせて華やかさを添えていました。
ようやく秋到来です。

今日、9月22日は、中秋の名月です。(※編集註:執筆日)
時は今、真に収穫の真っ只中です。
今年の中秋の名月は、気温が例年になく高いので、輝くような月は見られないのではないかと心配しています。しかも、雨が降り出しました。野暮な雨です。

         九月尽(じん)遙(はるか)に能登の岬かな
                                    暁台(きょうたい)
                                           (長谷川櫂「国民的俳句百選」より)
学生時代、夏休みを利用して能登半島最北端の禄剛崎(ろっこうさき)まで足を延ばしました。
日本海の荒海に敢然と突き出している雄大さが、空の高さ、そして青さと相俟って今も鮮やかに心に残っています。

能登半島への旅を想い出すとき、いつも脳裡を過ぎる患者さんがいます。
医師が患者さんに共感を示すことの大切さを教えて戴いた患者さんです。能登半島出身の方で、東京に出てきていました。残念ながら亡くなりましたが、今でも、患者さんやその母御さんとの枕元での日々の会話の記憶は、私の宝です。

能登の旅に繋がって、「潮騒」(五輪真弓)という曲を想い出します。
当時、ヒットしませんでしたが、今でもiPodに入れて聴いています。この歌は、前号に書いた年下の同僚と渋谷にあったジァン・ジァンという小劇場のコンサートに行った時に知りました。
この劇場には、高橋真梨子のコンサートにも足を運びました。“THANKS(サンクス)” (全然世間には知られていませんが…)がコンサート前半の最後に歌われました。この曲も、忘れ得ぬ曲の一つです。
この敬愛する友人は、今でも私の講演会に年に一、二度顔を出してくれて、お互いの髪の薄さを嗤い合っています。

今週の花材は、執務室は今までとは一転、清々しい情熱を主張しているようです。時差惚けを払拭してくれる程の勢いがあります。
秘書室は対照的に“静”の提示です。

(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■紅蓖麻(ベニヒマ)   トウダイグサ科/原産:北
アフリカ〜インド/別名「赤唐胡麻」(アカトウゴマ)
/中国経由で渡来。トウゴマの一種で、若芽や葉な
どが赤みを帯びる。種子をヒマシ(蓖麻子)と呼び、
種子から採取される油はヒマシ油と呼ばれ、下剤や
航空機の潤滑油として利用される。
■ポニチャー   ショウガ科/原産:タイ/クルクマ
の一種。ロウ細工のような花で1ヵ月近く観賞でき
る。幾重にも重なり花弁のように見える部分は苞
で、その中に小さな花が咲く。今回は「ポニチャーピ
ンク」と「ポニチャーホワイト」を使用。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/931.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

【秘書室】
■ヒマワリ(サンリッチパイン)   キク科/一年
草/原産:北アメリカ/夏を代表する人気の花。花
色や大きさ、咲き方など品種が豊富。「サンリッチ」
シリーズは花粉のでない品種。他にサンリッチ「レ
モン」、「オレンジ」、「マンゴー」などがある。
■アンスリューム(みどり)   サトイモ科/多年
草/原産:中南米/艶々で光沢があり、造花と見
間違うような花。花弁のように見える部分は苞で、
棒状の部分が花。「みどり」は爽やかな黄緑色の
品種。
■ロフォミルタス(キャサリン)   フトモモ科/常
緑低木/原産:ニュージーランド/小さくて丸い光
沢のある葉。「キャサリン」はチョコレート色のシック
な葉色。
■クジャクヤシ   ヤシ科/常緑高木/原産:イ
ンド〜マレー半島/《名前の由来》孔雀が羽を広げ
た様子と似ることから/葉先が魚のヒレのように裂
状になるのが特徴。強健な性質でインテリアグリ
ーンとしても利用される。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/932.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

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