HOME > 理事長室からの花だより

理事長室からの花だより

新着 30 件

一覧はこちらから

理事長室からの花だより

2010.06.11

vol.80  − 衣更え −

6月、衣更えです。
この語句は、現代でも尚、季節感を感じさせてくれます。昨今は温暖化が進み、必ずしも暦通りにはいっていませんが…。

私も、5月中旬から和服は単衣(ひとえ)に、洋服は夏服に替えました。
子供の頃から家の中では着物で過ごしてきただけに、衣更えは私にとっては、季節だけでなく、ウチとソト、そしてハレ(晴れ)とケ(褻)を自覚するときでもあります。
年齢を重ねるとともに、着物に対する拘(こだわ)り方も変わり、生地の種類よりも、肌になじみ、裾捌きの良い着古した衣(ぬの)の風合いを好むようになってきました。

通勤路や管理棟(私の執務する部屋のある建物)の前庭には、去年より幾分遅く、山法師(ヤマボウシ)、エゴノキ、そしてアカシアが同時に咲き出しています。
去年までは全く目に入らなかった野菊があちらこちらに咲いていることに気付きました。
「花だより」を書くようになり、少しは自分の感性が増したのかもしれません。

このところ、毎日、毎晩、多くの人々と会い、語り、そして意見を交換しています。思いがけないところで、思いがけない人に激励をされることも時々あります。
そんな時、「遇うて空しく過ぐる勿れ(九鬼周造)」が脳裡をよぎります。

湿度や温度が高くなるこの時季、心を新たにする為に同級生の書である「山河有情」を「高悟帰俗」という書に変えてみました。高い悟りは、ある意味、俗っぽいという意味だそうです。

私は、服でも設(しつら)えでも黒が好きなので、これに合う文房具を見ると思わず購入してしまいます。vol.32や52に写っている「Kite(カイト)」というペーパー&ペントレイ、そしてグラデーションを掛けたメモパッドが最近のお気に入りです。
(vol.32 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=52
 vol.52 http://www.fmu.ac.jp/univ/cgi/hana_disp.php?seq=78

男性には文房具好きが多いのはよく知られていますが、私もその一人です。
昔は文房具を専門に取り扱う雑誌が刊行されていたのですが、最近は特集での記事がときに見られる程度です。寂しい思いをしています。

今週の花材は、執務室はエキゾチックな組み合わせです。芍薬が開くと少し雰囲気が変わるでしょう。
秘書室は、紫での演出です。典雅な紫です。
今週も職員から薔薇の差し入れがあります。今週は写真で紹介します。

(福島県立医科大学理事長 菊地臣一)

今週の花


【理事長室】
■エレムルス   ユリ科/原産:中央アジア
/別名「デザートキャンドル」の名の通り、砂漠
に自生する。1m以上の長い花茎の雄大な植
物。花穂1本あたりに300〜500の花が咲
く。
■芍薬(ラテンドルフ)   ボタン科/原産:中
国〜朝鮮/花径が20cmにもなる豪華で存在
感のある花。一重、八重、万重咲きなど品種も
豊富。中国から薬用として渡来。根は漢方薬
として鎮痛剤や止血剤などに利用される。江
戸時代に園芸用として観賞されるようになる。
牡丹とそっくりだが、牡丹は樹木で芍薬は草。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana/80_1.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

【秘書室】
■カンパニュラ(チャンピオンスカイブルー)   キキョウ科/
原産:ヨーロッパ/別名「フウリンソウ」「釣鐘草」/《名前の
由来》ラテン語の「小さな鐘」を意味する語から/風鈴のよう
な形の花を一枝にいくつも咲かせる。世界で約300種あり、
日本に自生しているものも4種ある。「チャンピオンスカイブ
ルー」は淡紫の涼しげな色。
■ギガンジュウム   ユリ科/原産:中央アジア/ネギ坊
主のような紫色の球状の花。小さな花が密集して咲き、開
花が進むにつれ10〜20cmの球形になる。ネギ属の花な
ので、鋏を入れるとネギの香りがする。
■イタリアンルスカス   ユリ科/原産:イラン北部/つや
やかな光沢のあるグリーン。本来の葉は退化して、葉のよう
に見える部分は小枝が変化した葉状茎(ようじょうけい)。日
持ちが良く、長く楽しめるグリーン。
※拡大写真
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/80_2.jpg
本学職員からの贈り物
http://www.fmu.ac.jp/univ/hana_img/80_3.jpg
(無断転載等はご遠慮ください)

▲TOPへ