入学式
令和8年度 福島県立医科大学入学式 学長式辞 (令和8年4月8日)
四月の福島には、まだ冬の冷たい空気が残っています。
しかし同時に、確かな春の光も差し込み始めます。
季節が移り変わるこの時期は、新しい出発の時でもあります。
今日という日は、皆さんにとって、これまでの人生と、これから始まる人生の境目にあたります。
皆さんは今日、医療という新しい航海へ出発します。
本日、福島県立医科大学に入学された皆さん、
学部・大学院あわせて約450名の新入生の皆さん。ご入学、誠におめでとうございます。
また、ご多忙の中ご臨席くださいました福島県副知事 鈴木正晃様、福島県議会副議長 佐藤雅裕様に、心より御礼申し上げます。
そして保護者の皆様。
今日までお子様を支え育ててこられましたことに、大学を代表して深く敬意を表します。
今年度の入学生は、医学部130名、看護学部84名、保健科学部145名、
別科助産学専攻20名、そして大学院65名です。
ここに集まった約450名が、これから同じ志を持つ仲間となります。
令和8年、私たちは一つの歴史の節目に立っています。
福島県が誕生して150年。
そして東日本大震災から15年が経ちました。
この地域は、困難な経験を通じて、命の尊さと医療の重要性を深く学んできました。
一方、世界を見渡すと、戦争や紛争によって多くの命が失われ、医療が十分に機能しない地域も存在しています。
このような時代だからこそ、医療の役割はますます重要になっています。
命を守ること。
苦しみに寄り添うこと。
人の尊厳を支えること。
それが医療の本質です。
古くから医学の世界には、次の言葉があります。
Ars longa, vita brevis. (アルス・ロンガ、ウィータ・ブレウィス)
医の道は長く、人生は短い。
医学は、一生をかけても学び尽くすことのできない奥深い学問です。
しかし、だからこそ学び続けることに意味があります。
皆さんがこれから歩む医療の世界は、大きな変化の中にあります。
少子高齢化の進行、地域医療の課題、新しい感染症の出現、そして急速に進歩する医療技術。
このような環境の中で、医療人には高い専門性と倫理観が求められます。
福島県立医科大学には、医学部、看護学部、保健科学部、別科助産学専攻別科、大学院という多様な専門分野が集まっています。
専門は異なりますが、目指すものは共通しています。
人のいのちと健康を守ることです。
そのために本学は、次の理念を掲げています。
共創と知の循環で未来を拓く。
互いの専門性を尊重しながら協力し、知識と経験を社会へ循環させていく。
そこから新しい医療が生まれます。
現在、本学附属病院は再整備を進めており、皆さんは新しい医療環境の中で学ぶ世代となります。
さらに双葉地域では、AIや遠隔医療を活用したスマートホスピタルの整備も進めています。
これは、地域医療の新しいモデルを創る取り組みです。
ここで、福島に生まれた一人の医師の言葉を紹介します。
野口英世です。
野口は若き日にこう語りました。
「人は、その志によって道を開く。」
一人の青年が福島から世界へ出て、人類の感染症研究に大きな足跡を残しました。
今日この場所にも、同じ志を抱いた約450人の仲間がいます。
最後に、皆さんに一つ問いを残します。
これから医療の現場に立ったとき、あなたはどのような医療者でありたいでしょうか。
その答えを、これからの大学生活の中で見つけてください。
未来は遠くにあるものではありません。
今日ここから始まります。
皆さんの大学生活が、実り多いものとなることを願い、私の式辞といたします。
令和8年4月8日
公立大学法人福島県立医科大学
理事長兼学長 鈴木 弘行
事務担当 : 教育研修支援課
学生総務係: 電話 024-547-1972
FAX 024-547-1984
Eメール gakuseik@fmu.ac.jp
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