理事長兼学長 ごあいさつ

理事長兼学長 鈴木 弘行

福島の「命」に寄り添い、未来の「社会」を共に創る。
― 福島県誕生150年、震災15年、深化する大学の使命

 県民の皆様、そして国内外の関係者の皆様、新年度を迎えるにあたり、謹んでご挨拶申し上げます。
 本日、私は福島県立医科大学の新たな舵取りを担う重責を前に、一つの「原点」を胸に刻んでいます。

 1990年、私はこの大学を卒業しました。以来、外科医として、この福島の地で、県民の皆様お一人おひとりの「命」の重みと向き合ってまいりました。現場で学んだことは、医療の根幹は「人」であり、その背景にある「暮らし」を守ることにある、という真理です。

 福島県誕生150年、そして東日本大震災から15年。
 私たちが歩んできた道は、決して平坦なものではありませんでした。しかし、未曾有の困難に直面するたびに、私たちは県民の皆様とともに手を取り合い、一歩一歩、確実に前進してまいりました。

 現在、私たちは大きな転換期に立っています。

 本学はこれまで「県内医療の最後の砦」として役割を果たしてまいりましたが、これからは、教育・研究・診療のすべてを通じて、未来の医療と社会を牽引する「中核拠点」へと進化してまいります。

 双葉地域の医療提供体制の中核を担う「双葉地域中核的病院」の整備を着実に進めるとともに、若い世代が福島に根づき、地域医療を支える志を育む「持続可能な人材育成と医師派遣の福島モデル」を全学体制で推進いたします。

 また、附属病院の再整備においては、『環境の変化に適応し進化する大学病院』を象徴するプロジェクトとして、健診機能を持つ『疾病予防センター(仮称)』の新設など、高度医療と予防医学を融合させた新たな価値を創造してまいります。従来の「病気になってから行く場所」という枠組みを超え、県民の皆様の「生涯の健康パートナー」へと、医療のあり方を再定義する新たな価値創造を必ず実現してまいります。

 学内や職場という閉じた世界に留まるのではなく、グローバルな視点を持ち、学部や職種の垣根を越えて連携する「多職種連携」を推進してまいります。福島の知を世界へ、世界の知を福島へ。この「知の循環」こそが、私たちが掲げる揺るぎない旗印です。

「共創と知の循環で未来を拓く」
Co-create. Circulate knowledge. Open the future.

 これは、単なるスローガンではありません。

 医学部、看護学部、保健科学部、別科助産学専攻、そして大学院。
 本学のすべての「知」を結集し、地域の皆様とともに、この福島の地から次なる時代の医療と社会を創り出す。本学が地域に根ざし、世界と競う医療系総合大学として歩み抜くための、揺るぎない決意です。

 歴史の大きな節目の春。
 未来は、遠くから訪れるものではありません。

 今日、この福島の地から、皆様とともに、私たち自身の手で一歩ずつ築いていくものです。
 誇れる福島医大の未来を、そして誰もが安心して暮らせる福島の明日を、共に築いてまいりましょう。

 本年度も、皆様の変わらぬご理解と温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

令和8年(2026) 4月1日
公立大学法人福島県立医科大学
理事長兼学長 鈴木 弘行

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