福島県立医科大学 研究成果情報

英国雑誌「BMJ Open」掲載(2020年12月)(2021-01-14)

Are lifestyle pattern changes associated to poor subjective sleep quality?: a cross-sectional study by gender among the general Japanese population underwent specified medical check-ups in 2014 and 2015

生活習慣の変化は睡眠の質と関連するのか?:2014年・2015年に特定健康診査を受診した一般日本人集団における男女別断面研究

日高 友郎 (ひだか・ともお)
医学部 衛生学・予防医学講座 講師
        
研究グループ
日高友郎・春日秀朗・遠藤翔太・増石有佑・各務竹康・武田晶子・小泉誠・福島哲仁

概要

論文掲載雑誌:「BMJ Open」(2020年12月)


 良好な睡眠は健康の基盤となります。そのため、睡眠の質に関わる生活習慣について、多くの研究がなされてきました。これまでに、運動(意識的で目的を持った活動)や身体活動(日常の移動や作業で構成される活動)、喫煙習慣、飲酒量、就寝直前の食事の有無が、睡眠の質と関連していることが明らかになっています。

 本研究では、2014年から2015年にかけて、これらの生活習慣がどのように変化したかをパターン分け(2年間継続して健康的、1年目は健康的だが2年目には不健康、1年目は不健康だが2年目には健康的、2年間継続して不健康)し、その変化パターンと睡眠の質との関連を、男女ごとに分析しました。

 その結果、運動や身体活動を2年間継続できていない場合、ならびに就寝直前の食事を摂る習慣を2年間継続してしまっている場合に、男女ともに睡眠の質が低下しやすくなることで概ね一貫していました。また、女性の場合、2年目に多量飲酒の習慣を身につけてしまった場合にも睡眠の質低下がみられました。一方で、喫煙パターンの変化は、男女ともに睡眠の質と関連性がありませんでした。

 本研究は福島県国民健康保険団体連合会によって提供された、大規模な健診データの解析結果に基づいています。性別による違いを踏まえた上での生活習慣改善ならびに睡眠改善に繋がるよう、関係機関とさらなる連携を深めてまいります。


連絡先

 公立大学法人福島県立医科大学 医学部 衛生学・予防医学講座

 電話:024-547-1174 (内線2201)

 FAX:同上

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