COURSE地域救急医療支援講座

地域救急医療支援講座

福島県立医科大学 寄附講座
地域救急医療支援講座 教授

小野寺 誠

「福島市民の健康のために」

福島市は福島県の県北地方の救急医療の中核を担うだけでなく、隣接する県中・相双地方からの救急患者も受け入れており、福島市が期待されている役割は年々大きなものとなっています。このような現状から平成25年、福島市が寄附者となり福島県立医科大学に地域救急医療を支援する講座が開設されました。本講座が設置されることで市内の救急医療体制の充実のみならず、市内医療機関における救急医療の実地研修プログラムを構築し、臨床研修医の増加や医師定着率の増加に貢献することが期待されています。
本講座の活動には臨床・教育・研究の三つの大きな柱があります。臨床面では、市内4か所の二次救急医療機関の輪番当直日に医師の派遣を行っており、年間約150日、約1000名の救急搬送症例を診察、臨床研修医への指導を行っています。教育面では、福島市内の臨床研修医を対象に救命救急センターで診療した重症患者についての症例検討会を毎月開催しています。また、福島市臨床研修「NOWプロジェクト」での教育講演活動も行っています。研究面では、福島市における時間外救急患者の受療動向や、年々増加している救急搬送困難症例についてのデータを収集し、福島市における救急搬送システムの改善に向けて分析しています。そのほか、福島市主催の「ふくしま健康マラソン大会」における救護班の派遣や、福島市内中学校へ出向し、中学生心肺蘇生講習会の指導を行っています。
以上、今現在の福島市民の健康のみならず、臨床研修医や医療従事者を目指す中学生など若い人たちが、「健康で安心して暮らせる未来の福島市」のために働きやすい社会を目指しています。

専門医など

  • 日本救急医学会 指導医 認定医
  • 日本腹部救急医学会 認定医
  • 日本中毒学会 クリニカルトキシコロジスト 
  • 日本内科学会 認定医
  • 日本消化器病学会 指導医 専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医
  • 日本肝臓学会 専門医
  • 日本腹部救急医学会 評議員
  • 日本中毒学会 評議員
  • 日本中毒学会東日本地方会 幹事
  • 日本消化器病学会東北支部 評議員
  • 日本消化器内視鏡学会東北支部 評議員

略歴

1993年4月 岩手医科大学内科学第一講座(消化器内科) 副手
2000年4月 岩手医科大学高次救急センター 助手
2005年4月 岩手医科大学救急医学講座 助教
2012年7月 岩手医科大学救急医学講座 特任講師 
2013年10月 岩手医科大学高度救命救急センター 特任講師
2017年8月 岩手医科大学高度救命救急センター 講師
2017年10月 福島県立医科大学地域救急医療支援講座 教授

現在に至る

福島市内救急医療体制概要

救急医療は、一次救急(入院が不要な軽症対応)二次救急(一般病院で治療が必要な救急対応)と三次救急(重症・重篤な患者に対する救急医療)に分かれています。福島市内では二次救急の患者を、二次救急医療指定機関による輪番制度で収容しています。福島市内の市中病院で夜間、土日休日は、内科、循環器、外科、整形外科、脳神経などの当番を請け負っています。福島県立医科大学附属病院高度救命救急センターでは、県内からの三次救急の患者の対応に当たっております。