11.信頼できる情報源 (Trustworthy sources) vs. 信頼できない情報源 (Untrustworthy sources)
この項目については、適当な日本語訳が見つからず、「適切な対応」 vs. 「不適切な対応」と訳してみますが、以下に、3つの具体例を挙げて説明します。
①悪い知らせ(Bad news)を認める:悪い知らせを積極的に知らせるvs. 秘密にする(Telling unpleasant news proactively. vs. Keeping secrets)
概要
我々の社会は秘密を許容しません。悪い知らせ自体は受け入れられますが、それを隠すことは受け入れられません。悪い知らせの隠ぺいは、悪い知らせそのものよりも大きなOutrageを引き起こします。
「誰にも絶対にバレないと信じて隠し続けられる」もしくは「もし秘密がばれたとしても、事前に話さなかったことを絶対に責められない」という絶対的な自信がある人はおそらくいないでしょう。そうであれば、すぐに自分から真実を語るべきです。十分に説明の準備ができていなくても、弁護士が反対しても、上司が止めても、です。隠ぺいが発覚した時のpublicのoutrageはとてつもなく大きいのです。
まとめ
秘密を隠すことは、後に発覚した際に大きなOutrageを引き起こすため、初めから、悪い知らせを認めることが最善の策です。透明性と誠実さが重要な要素となります。
②Apologizing for misbehavior(不正行為を謝るか) vs. Not apologizing for misbehaviors(謝らないか)
概要
我々の社会は悔悟しない罪人を許容しません。一方で、悔悟した罪人は許されます。不正行為の重大さよりも、それを真摯に認めて謝罪するかどうかの方が重要であり、それに伴うOutrageも同様です。謝罪の言葉を真摯に述べることが非常に大切です。
謝罪の重要性
謝罪を避けることは大きな代償を伴います。謝罪の重要性を示すために、西洋社会のカトリック教会の「許しの5ステップ」を見てみましょう。
- 1.悪事を認める。
- 2.謝罪の言葉を口にする。
- 3.危害を被った人に埋め合わせをする。
- 4.もう繰り返さないことを誓う。
- 5.罪を償う。(社会に対して、悪事を認めることに対して恥をかかされる。)
この5つの過程を経れば許され、経なければ許されません。犯した悪事が「許されない」のではなく、悪事を犯した者が「許される過程を経ていない」のです。
対応法
重要なポイントは、「信頼(Trust)」ではなく「結果に対する責任(Accountability)」を目指すべきです。それは、「我々を信頼してもらう必要はありません。他の専門家や専門機関に我々の行動を監視してもらいましょう。我々を信じなくても大丈夫な方法を探しましょう。」というアプローチです。このように信頼を要求しないことで、むしろ信頼されやすくなります。人間は信頼されたいと思うあまり、責任ある行動をとることや説明責任を全うすることを忘れがちです。
具体的には、何かを検査・解析する場合であれば、その方法や結果の解釈について事前にお互いが合意できる方法を確立することが重要です。サンプルの採取法や解析法、結果の解釈方法など、全てを事前に相談して確立します。特に直感的に避けたい相手もこの話し合いに含めることが重要です。この過程は時間が掛かるかも知れませんが、「結果が信頼できない」と言われる可能性は著しく低くなりますし、結果がどうであれ、皆がそれを受け入れることになるでしょう。
まとめ
企業や政府が信頼されていない現実を認識し、信頼を強要するのではなく、結果に対する責任を担保する方法を見つけることが必要です。事前に合意された方法を使用することで、結果に対する信頼性を高め、信頼を回復するための基盤を築くことになるでしょう。