大学生活を思い返して
- 教授
- 佐々木 道子
- ささき みちこ
- 合成化学
大学での過ごし方は人によって様々だと思います。私の場合、3年生の時に有機合成化学の研究室に配属されてからは、研究が生活の中心になりました。「こんな反応がおこるかもしれない」と考えて実験を行いますが、予想通りに反応が進行することも、予想外の反応がおこることもあります。どちらにしてもその結果の解析を基に次に行うことを決めます。この繰り返しで1日が過ぎていきます。ちなみに、コアタイム(研究室に在室しなければならない時間ではなく実験に専念すべき時間)は、9時から21時の12時間でしたが、これは特殊な例ではなく理系の実験系学部としては標準的なものです。そして土曜日にはその週の実験報告会や勉強会があり、日曜はそれらの準備や実験報告書、最新論文の抄録の作成などがあるので、課外活動やアルバイトなどの「キャンパスライフ」とは無縁でした。この話をすると、可哀想と言われることも多いのですが、実験結果が出るまでの期待感や結果を解析していく際の高揚感は何事にも代えがたい貴重なものだと思います。楽しいと思えることに没頭できるのは良いですね。