見えないモノを見ようとして
- 講師
- 久保田 恵佑
- くぼた けいすけ
- 言語テスティング、英語教育学
今回は私の専門である言語テストについて簡単に記します。タイトルは某邦ロックバンドの曲の一節です。この曲中では天体観測の際に「見えないモノ」を見ようとするときは望遠鏡を覗き込むようです(ファンの方へ、雑な引用をご了承ください…)が、心理学研究でもこの「見えないモノ」(「構成概念」と呼ばれます)を見よう(測定しよう)として様々な道具を使用します。その道具の一例が「テスト」です。例えば、英語圏への留学に求められる英語力を測るためのテストとして IELTSやTOEFL iBTなどが有名ですが、こうしたテストを介して「英語力」という目に見えない概念が数値化(尺度化)されています。見えないモノを見るために、テストは、〇〇力のような見えないモノの概念を形成し、その測定の目的に適した道具を開発し、適切に結果を解釈できる数値にするという科学的なプロセスを経ています。私の研究はこのようなプロセスの中でテスト尺度を科学的に開発・検討することで、深く追求したくなる不思議な魅力があります。
大学はこれまで見えなかったモノが見えるようになる機会に溢れています。既知のモノに対しても未知のモノに対しても、目に見える表面的部分にとどまらず、探究心を持って臨んでみてほしいなと思います。