研究資料の収集はやさしくない

 今回は、自分の研究の具体的な様子をご紹介しましょう。

 私は、昔の人々が、病や障害についてどんなふうに考え、対応したかを調べるという研究をしています。文献や資料収集のために古書店チェックは欠かせませんし、国会図書館をはじめ全国の大学図書館の所蔵を確認して可能な限りコピーを取ります。(昨今の資料の電子化は大変ありがたいです。歴史研究もテクノロジーの恩恵を受けています。)

 昔々の大学院生時代。遠方の大学の図書館に出かけ、閉館時間の22時までコピー機にかじりつき、急いで最寄りの駅に戻ったところ、既に最終電車は出てしまった後でした。そのときは、駅で一晩立ったまま過ごしました。また、飛行機を乗り継ぎ、遠い外国の図書館まで出かけて、いざ、という段になって、現地の係の人から「あなたが所望している資料は全て焼却処分済です」と事も無げに告げられたこともありました。(もちろん事前に資料の存在を確認しておきました。渡航費等はバイト代と奨学金からの捻出でしたから、資料がない、と言われた時、私は卒倒するかと思いました。)

 自然科学や医学研究の実験やデータ集めで苦戦するように、人文科学研究でも資料集めには苦労します。そうして集めた資料を読み解くのにはさらに困難が伴いますが、それについてはまた別の機会に述べることにしましょう。

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