Something about everything, Everything about something
- 教授
- 本多 創史
- ほんだ そうし
- 思想史
教養を深める、分野を超えて幅広い知識を得る、といった言葉をしばしば耳にします。それが単なる物知りになること以上の何かを意味しているのなら、一体どのようなことを言おうとしているのでしょうか。上の言葉は、ある著名な人物が残したものですが(類似の言葉は他の著名人も述べていると記憶しています)、後段に、自分の専門に関してはあらゆることを知らなければならない、と述べられています。前段の広く知るということが、後段の自分の専門分野に関する十全な把握と切り離せないのなら、教養の意義とは、全体を見渡す広い視座に立って、自分自身の知的営為を位置づけるところにある、と言えましょう。即ちそれは、自分を客観視するということに他なりません。
皆さんが保健科学部に入学したら、専門となる学問分野を深く学ぶことは勿論なのですが、前段にあるように、世の中のあらゆる事柄について、それなりに知るようも努めて欲しいと思います。