
- 丹野 大樹 (たんの・だいき)
- 保健科学部 臨床検査学科 助教
- 研究グループ
- 丹野大樹1,2,3、斎藤恭一2、大橋一孝1、豊川真弘1,2,3、山寺幸雄1、志村浩己2
1: 福島県立医科大学附属病院検査部
2: 福島県立医科大学医学部臨床検査医学講座
3: 福島県立医科大学保健科学部臨床検査学科
概要
論文掲載雑誌:「Microbiology Spectrum」(令和4年4月18日)
Streptococcus agalactiae (Group B Streptococcus: GBS)は、10~30%の妊産婦の膣や便中から検出され、母子垂直感染により新生児に重症GBS感染症を引き起こすことが知られています。その重篤性からすべての妊婦に対してGBSスクリーニング検査の実施が推奨されていますが、偽陰性報告がしばしばみられており、より感度の高い検査法が求められています。今回、我々は、高感度で迅速な検査法の開発を目的として研究を行い、質量分析装置(MALDI-TOF MS)を用いたGBSスクリーニング検査法を世界で初めて報告しました。
本研究は、MALDI-TOF MS単独でのスクリーニング検査法にピーク解析を組み込むことでGBS検出感度を飛躍的に向上させることを明らかにしました。本法は、従来法に比べGBSの検出率が高く、24時間以内に結果を報告できる点で優れています。MALDI-TOF MSは、近年、世界中の微生物検査分野で盛んに導入が進んでおり、今後、本法がGBSスクリーニング検査の新たな手法の一つとなることが期待されます。
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 保健科学部 臨床検査学科
電話:024-581-5503(代)
FAX:024-581-5528
保健科学部ホームページ:https://fmu-hs.jp/
メールアドレス:dtanno@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、一部全角表記しています)