
- 藤田 雄也 (ふじた・ゆうや)
- 医学部 リウマチ膠原病内科学講座 助手
- 研究グループ
- 福島県立医科大学 リウマチ膠原病内科学講座
藤田雄也、渡辺浩志、右田清志
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科予防医学共同専攻 リウマチ・膠原病内科学講座
福井翔一、梅田雅孝、辻創介、岩本直樹、折口智樹、川上純
佐世保市総合医療センター リウマチ・膠原病内科
中島好一
長崎医療センター 膠原病・リウマチ科
寳來吉朗
佐世保中央病院 リウマチ・膠原病センター
荒牧俊幸、植木幸孝
諫早総合病院 リウマチ科
溝上明成
概要
論文掲載雑誌:「Frontiers in Immunology」(令和4年2月24日)
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は様々な臓器に病変を生じ、血清IgG4の上昇と罹患臓器の組織にIgG4陽性細胞を認める全身性疾患です。約1/3程度に低補体血症を生じることが知られていますが、その臨床的特徴については十分に明らかにはなっていませんでした。
既報において低補体血症を有するIgG4-RD患者では涙腺、リンパ節、腎臓、膵臓、肺、前立腺病変が多いと報告されていましたが、本研究においても同様にリンパ節、腎臓、肺病変が多く認められました。
低補体血症を有するIgG4-RD患者ではIgG、IgG4、IgG minus IgG4、soluble IL-2R(sIL-2R)、IgG4-RD responder indexが有意に高値でした。また、Complement 3 (C3)とComplement 4 (C4)はIgG 、IgG4、IgG minus IgG4、soluble IL-2R(sIL-2R)、IgG4-RD responder indexと負の相関を示しました。
我々は本研究において、発症時に低補体血症を有するIgG4-RD患者では有意に再燃が多いことを報告し、さらに、多重ロジスティック解析を行い低補体血症の有無が再燃の独立したリスク因子であることを明らかにしました。つまり、低補体血症を有するIgG4-RD患者ではより疾患活動性の高い病型を呈することが多いということであり、補体系の病態への関与が示唆されていると考えています。低補体血症を来す機序や病態についてはさらなる検討が必要ですが、本研究を通じて低補体血症を有するIgG4-RDの臨床的特徴がより明確となりました。
連絡先
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