- 西脇 宏樹(にしわき・ひろき)
- 福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野 博士研究員
- 栗田 宜明(くりた・のりあき)
- 福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野 特任教授
- 研究グループ
- 西脇 宏樹、新畑 覚也、栗田 宜明(福島県立医科大学大学院医学研究科臨床疫学分野)
木下 真紀、藤村 真輝、黒澤 健太郎、櫻町 惟、高野 季代子、松永 佐澄志、岡村 真太郎、北谷 真子、辻井 悟、林野 泰明(天理よろづ相談所病院)
概要
論文掲載雑誌「Diabetes Research and Clinical Practice」(令和4年3月2日)
今回、我々は糖尿病患者の尿中C-メガリンと微量アルブミン尿の発生との関係性を検証しました。微量アルブミン尿は糖尿病性腎症の早期の所見であり、微量アルブミン尿が多いほど腎機能障害、冠動脈疾患、死亡のリスクが高まるため、微量アルブミン尿の早期の検出が重要です。
尿中C-メガリンは、近位尿細管細胞に発現するスカベンジャー受容体で、尿の中へ濾過されたアルブミンを再吸収する役割をもっています。本研究では、752名の正常アルブミン尿の糖尿病患者を検討したところ、尿中アルブミンの量が少ない状態であるほど、尿中C-メガリン排泄量と持続する微量アルブミン尿の発生との関係性が強くなることが明らかになりました。特に、尿中アルブミンがない場合に、最も強い関係性が認められました(尿中C-メガリン100fM/gCrあたり:ハザード比1.13;95%CI 1.07-1.19)。また、尿中アルブミンに上乗せして、尿中C-メガリンが微量アルブミン尿の発生を予測できる可能性も示しました。尿中C-メガリンの検査法が糖尿病性腎症の予防の一助になればと思い、研究を実施しました。
天理よろず相談所病院の林野先生らのグループとの共同研究の成果です。
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野
電話:024-547-1111(代)
FAX:024-547-1468
ホームページ:https://noriaki-kurita.jp/
メールアドレス:kuritan@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため、一部全角表記しています)