福島県立医科大学 研究成果情報

米国科学誌「Cancer Science」掲載(2021年1月13日号)(2021-02-10)

Intracellular localization of CK2a as a prognostic factor in invasive breast carcinomas.

キナーゼ CK2α細胞局在は浸潤性乳癌の新たな予後予測指標となる

本間 美和子 (ほんま・みわこ)
医学部 附属生体情報伝達研究所 生体物質研究部門 准教授
        
研究グループ
福島医大: 本間美和子、喜古雄一郎、橋本優子、増井誠一郎、本間好
星総合病院:長塚美樹、片方直人、野水整(本学臨床教授)

概要

論文掲載雑誌:「Cancer Science」(2021年1月13日号)


乳癌手術後、UICC国際基準により複数の指標を総合して病型分類がなされるが、乳癌サブタイプにそれぞれ適する治療をしても予想外の再発が認められる。本間美和子は生化学・分子生物学研究によりプロテインキナーゼ の一種CK2が癌抑制遺伝子APCと相互作用し制御を受けることやタンパク合成(翻訳)開始へ関与すること等、正常な細胞増殖機能や癌疾患への関与を明らかにしてきた。この度、星総合病院で実施された初発乳癌摘出術後の試料を用い、本学病理病態診断学講座との連携によって組織化学的解析を実施した結果、CK2染色評価による細胞核陽性群は、将来の再発予測に資する新たな評価指標となることを、統計的有意性によっても明らかにした。本手法を手術直後の組織片へ応用し将来の再発リスクを個人毎に精度高く予測できれば、術後に複数の治療を組み合わせるなど、より適切な治療方針を速やかに決定することへ寄与できると考えられる。また、治療薬奏功性を判断するコンパニオン診断への有用性がある等、現代医療が目指す個別化医療への貢献も期待される。


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