福島県立医科大学 研究成果情報

第74回日本放射線技術学会総会学術大会 CyPos賞金賞(平成30年4月受賞)(2018-05-16)

Evaluation of Model-based Attenuation Correction Method for 18F-FDG Whole-body PET/MRI

18F-FDG全身PET/MRIにおけるモデル法を用いた減弱補正法の評価

久保 均 (くぼ・ひとし)
新医療系学部設置準備室・先端臨床研究センター 教授
        
研究グループ
Hitoshi Kubo, Ayaka Nemoto, Naoyuki Ukon, Takashi Kanezawa, Hironobu Ishikawa, Katsuyuki Kikori, Hideaki Takasumi, Hiroshi Ito, Noboru Oriuchi, Shoji Yabuki

今回の受賞について

第74回日本放射線技術学会総会学術大会


 日本放射線技術学会は、画像診断技術、核医学技術、放射線治療技術、放射線管理・測定技術など医用放射線科学領域を専門とする学会です。本総会学術大会は毎年4月に日本医学放射線学会及び日本医学物理学会と合同で開催される学術大会であり、国内外の医用放射線科学の専門家が一同に会する国内最大の学術大会です。

 

賞について


 総会学術大会で発表された全演題の中から、優秀な演題に対して与えられた賞です。久保均教授らの研究グループがCyPos賞金賞を受賞しました。

概要

 PET検査はその物理的特性から定量性の高い検査手法と言われており、特に18F-FDGを用いた検査では糖代謝の評価指標としてSUV値が計算され、臨床でも使用されています。このSUV値の定量性を高めるため、体内でのγ線吸収の度合いを補正する減弱補正技術が一般的に用いられていますが、PET/MRIの場合はMR画像から減弱補正のための情報(減弱補正マップ)を作成しなければならず、特にγ線の減弱に大きく寄与する骨の情報がMRIでは得られなかったり、MRIで撮像できる範囲が被検者の身体の大きさより小さいために定量性が低下する現象がありました。そこで、久保らのグループは、骨情報を有するモデルを被検者ごとに当てはめて骨の位置や形状を推定するモデル法を用いた場合のSUV値の定量性について、それぞれ患者さんのデータを用いて後方視的に検討しました。結果として、モデル法を用いることで頭蓋内および体幹部のSUV値が合理的に補正され、かつモデル法を用いない場合の結果と良い相関を有していることを検証しました。しかし、小児においては相関の傾向が異なるため、その使用には十分注意すべきであることを見いだしました。

 これらの検証により、PET/MRIを用いた検査におけるSUV値の定量性を高め、診断能の向上に寄与することが期待できます。今後も、より一層PET検査の有用性を高め臨床に役立つ研究を積み重ねて参ります。


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