福島県立医科大学 研究成果情報

米国科学誌「American Journal of Cardiology」 掲載〔平成30年3月〕(2018-03-28)

Relation of testosterone levels to mortality in men with heart Failure

男性心不全患者における血清テストステロン濃度の意義に関する検討

義久 精臣 (よしひさ・あきおみ)
循環器内科学講座・心臓病先進治療学講座(寄附講座) 教授
        
研究グループ
義久精臣、鈴木 聡、佐藤 悠、菅野優紀、阿部諭史、巽 真希子、佐藤崇匡、及川雅啓、小林 淳、八巻尚洋、国井浩行、中里和彦、石田隆史、竹石恭知

概要

論文掲載雑誌:「American Journal of Cardiology」(2018 Mar.) テストステロンは蛋白同化ホルモンであり、心筋や骨格筋の肥大、収縮能に関与する男性ホルモンである。 我々は、男性心不全患者における血中テストステロン値と運動耐容能および生命予後の関連について検討した。 男性心不全患者連続618名を血清テストステロン値に基づき分類(4分位)し、心肺運動負荷試験および生命予後について比較検討した。左室駆出率は4分位間で差を認めなかったものの、第4分位(テストステロン300 ng/dl未満)では第1-3分位と比して、最高酸素摂取量は低値であった(14.5 vs. 16.4, 16.5 and 15.8 ml/kg/min, P=0.034)。Kaplan-Meier解析では、第1から第4分位にかけて段階的に死亡率は高値であった。Cox比例ハザード解析にて血清テストステロンは総死亡に関する独立した予後予測因子であった(P<0.01)。 男性心不全患者において、血清テストステロン低値は運動耐容能低下および予後不良と関連する。

(義久 精臣)


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学
医学部 循環器内科学講座・心臓病先進治療学講座(寄附講座)  教授 義久 精臣
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