福島県立医科大学 研究成果情報

米国科学誌「American Journal of Cardiology」 掲載〔平成30年3月〕(2018-03-28)

Usefulness of urinary N-terminal fragment of titin to predict mortality in dilated cardiomyopathy

拡張型心筋症患者における尿中titinの意義に関する検討

義久 精臣 (よしひさ・あきおみ)
循環器内科学講座・心臓病先進治療学講座(寄附講座) 教授
        
研究グループ
義久精臣、君島勇輔、喜古崇豊、佐藤 悠、渡邊俊介、菅野優紀、阿部諭史、巽 真希子、佐藤崇匡、鈴木 聡、及川雅啓、小林 淳、八巻尚洋、国井浩行、中里和彦、石田隆史、竹石恭知

概要

論文掲載雑誌:「American Journal of Cardiology」(2018 Mar.) Titinは心筋のサルコメア蛋白であり、その遺伝子変異は拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy; DCM)の発症に関与している。近年、尿中におけるtitinの代謝産物(urinary N-terminal fragment of titin; U-TN)が測定可能となった。 我々は、DCM患者におけるU-TNと心機能ならびに生命予後の関係について検討した。 連続102名のDCM患者において、U-TN濃度を測定し、3分位に分類し、心臓超音波検査および右心カテーテル検査所見について比較検討した。U-TN高値群(第3分位)にて、左室駆出率および心係数は低値であり、U-TNと左室駆出率および心係数に有意な負の相関を認めた(p<0.05)。また、カプランマイヤー解析では、第1から第3分位にかけて心臓死亡率および総死亡率は段階的に高値であった(p<0.05)。Cox比例ハザード解析では、U-TNはDCM患者における心臓死亡率および総死亡率に関する独立した予測因子であった。 U-TNはDCM不全患者において、低左心機能および予後不良と関連している。

(義久 精臣)


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学
医学部 循環器内科学講座・心臓病先進治療学講座(寄附講座)  教授 義久 精臣
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