福島県立医科大学 研究成果情報

財団法人インテリジェント・コスモス学術振興財団「第9回インテリジェント・コスモス奨励賞」(2010-05-14)

「腎近位尿細管におけるGRK4の機能から、食塩感受性と高血圧症の病態生理を解明する研究」

高血圧の発症と維持に関して重要な、腎臓での食塩(ナトリウム)再吸収異常の原因を解明する研究が評価されました。

谷田部 淳一
福島県立医科大学 医学部腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座
JA福島厚生連ヘルスサイエンスリサーチ 博士研究員
※ 食塩感受性とは、食塩を摂取すると血圧が上昇するタイプのこと。逆のタイプは食塩抵抗性。

「インテリジェント・コスモス奨励賞」とは

 財団法人インテリジェント・コスモス学術振興財団が東北インテリジェント・コスモス構想の一環として、「広く学術振興を図るために、科学技術分野において独創的で優れた研究テーマを持つ、将来有望な若手研究者に対し」授与するものです。
東北7県の大学等に所属している40歳(医歯薬系は42歳)以下の若手研究者を対象としており、平成14年度から実施されています。

本学からは平成18年度に細胞科学研究部門の 初沢清隆 氏が、平成20年度に解剖・組織学講座の 亀高諭 氏が受賞しました。

今年度は5月14日に受賞者10名が報道発表され、本学から腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座の谷田部氏が選ばれました。
5月17日、仙台市のホテルで授与式が行われました。

 

受賞対象の研究内容の概要

「腎近位尿細管におけるGRK4の機能から、食塩感受性と高血圧症の病態生理を解明する研究」
近年、食塩過剰摂取の危険性が再び注目されている中、本研究により腎臓における食塩(ナトリウム)再吸収異常が高血圧の成因維持に重要であり、その原因がGRK4タンパク質の活性上昇に起因することを明らかにしました。研究そのものは、約15年前から本学講師眞田寬啓氏(現学外講師)が渡辺毅教授とともに、アメリカのバージニア大学及びジョージタウン大学と共同研究を行ってきているもので、谷田部氏も眞田氏の研究グループの一員として研究を発展させてきました。
研究成果は、遺伝的背景に基づいた高血圧症の新しい分類診断法とGRK4標的薬の開発を通じて、高血圧症のオーダーメイド診療実現に向け新たな道を拓く可能性をもっています。

※ Robin A. Felder, PhD and Pedro A. Jose, MD, PhD own US Patent Number 6,660,474 for G protein-related kinase mutants in essential hypertension.

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連絡先

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