看護学部 母性看護学・助産学部門 教授 山口 咲奈枝

山口先生

このロールモデル集は、教職員が将来のビジョン、キャリアを描くための一助として、学内のロールモデル(将来において目指したいと思われるような模範となる存在)を紹介する取り組みとして実施されています。私は令和6年4月にダイバーシティ推進室員を拝命してから、学生に向けたキャリアセミナーの講演や看護職のキャリア形成に関する講義の機会をいただきました。今回、ロールモデル紹介の執筆依頼をいただいたのもこのような活動の一環であると考えます。今回は「福島県立医科大学の後輩へ伝えたいこと」をテーマに執筆のご依頼をいただきました。執筆内容は、これまでのキャリア・ライフイベントなどの経験と、ワークライフバランスの観点からのアドバイスも盛り込むようにとのことでしたので、ここでは、私のワークライフバランスの紹介とこれから本学でキャリアを積む後輩のみなさんへのメッセージをお伝えします。

私のワークライフバランスは、現代女性のロールモデルとして目指したいあるいは模範となる存在にはなり得ないでしょう。というのも、私のワークライフバランスはワーク「9」に対しライフ「1」のバランスであり、客観的にみると圧倒的にワークの比重が大きいからです。しかし、一見つり合いが取れていないこのワークライフが、実際には私にとって最適のバランスです。これは、過度な業務負担や他者からの強制によって生じているバランスではありません。私は、看護系大学教員の使命は、教育・研究・実践(社会貢献)であると考えています。これらに日々全力で取り組み、夢中になって邁進した結果、気が付けばこのバランスに落ち着きました。ですから、私はこの働き方に満足していますし、私自身は充実したワークライフだと感じています。このような自由気ままな生活が送れるのは、家族が健康に過ごし、私の生き方を理解して見守ってくれているからであり、また、同僚たちがお互いの仕事に対する姿勢を尊重し、時間に縛られることのない職場環境だからだと考えています。

私がこれから本学でキャリアを積む後輩に伝えたいことは「先輩(例えば私)のような」キャリアを思い描くのではなく、自分らしいキャリアを描いてほしいということです。私のキャリア形成やワークライフバランスは私にとって最適でも、他者にとってはそうとは限りません。本学のダイバーシティ推進室のホームページに掲載されているダイバーシティ推進本部長竹之下誠一理事長兼学長のご挨拶には、『本学におけるダイバーシティ推進の目的は多様な価値観を認め合い、個人が尊重され、持てる個性と能力を最大限に発揮できる環境を本学の全教職員・全学生に提供することです。』とあります。将来のビジョンやキャリアそしてワークライフバランスは多様性があっていいのです。これからキャリアを積む後輩のみなさんには是非自分らしく、自らの能力を最大限に発揮できるように多様なキャリアを描いてほしいです。少しだけ先に経験を積んでいる私は、後輩のみなさんが希望したワークライフバランスで、目指すビジョンを達成できるようにサポートしていきます。私自身がこれまで上司に恵まれ、自分の望み通りに仕事に打ち込むことができたので、これからは少しずつ先輩としての役割も担っていけたらと思います。ライフイベントは予期せぬことや自分ひとりではどうにもならないこともあります。思わぬ時に思わぬ形で起こることもあります。そんな時は、身近な上司や先輩に相談してください、大いに頼ってください。そして、本学にはダイバーシティ推進室があることを思い出して、活用していただければ幸いです。

ページの先頭へ戻る