気になる「気になるミダシ」
- 教授
- 安田 尚子
- やすた たかこ
- 言語学(第二言語音韻論)、英語教育学(ライティング、発音指導)
今日は私の専門、言語学の話です。ニュースの「気になるミダシ」に「ヒグマとラッコの珍しい瞬間 子グマに悲劇…襲ってきたのは」というトピックがありました。子グマをラッコが襲うとは!とニュースを見たら、攻撃したのはワシでした。実はこのニュース、関連しない2つの話題で構成されていました。つまり「ヒグマ(とワシの珍しい瞬間)とラッコの珍しい瞬間」ということだったのです。この見出しだと意味が複数に取れ、正確な情報伝達の役割は果たせていません。でももしかしたら視聴者の気を引く効果を期待した上での意図的な曖昧さなのかもしれません。ことばがもつ役割・効果は何か、自分の意図したとおり相手に伝わるかどうか、考える機会になりました。特に医療現場ではちょっとしたことばの勘違いが大きなミスにつながるので言語学の基礎知識も大切と考えています。