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消化器内科 診療

クロンカイト・カナダ症候群に特発性門脈圧亢進症を合併した難治性腹水の1例

消化器内科では、40歳台女性のクロンカイト・カナダ症候群(CCS)に特発性門脈圧亢進症(IPH)を合併した極めて稀な難治性腹水症例を経験しました。腹水増悪と肝腎機能障害で入院し、肝生検で非肝硬変性のIPHと診断しました。利尿薬や腹水穿刺で対応しましたが症状の改善が乏しく、さらに精査したところ、多発ポリープとS状結腸からの蛋白漏出を認め、CCSによる蛋白漏出性腸症と判明しました。プレドニゾロン投与で腹水・胸水・肝機能は著明に改善し、CCSに伴う低アルブミン血症や炎症、蛋白漏出がIPHと相互に腹水増悪に関与したと考えられました。本報告は、非肝硬変の難治性腹水においてIPHや腸管疾患を鑑別すべき重要性を示し、Fukushima Journal of Medical Science(IF 0.9, 2024年)に掲載されました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/fms/advpub/0/advpub_25-00024/_article/-char/en

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