災害・放射線被ばく医療研修
第2回 災害・放射線被ばく医療研修(平成23年度)
日時 | 平成24年1月11日(水)~12日(木) |
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場所 | 本学(福島市)及び仮設住宅等(南相馬市) |
引率教員 | 福島県立医科大学 医療人育成・支援センター 副部門長 大谷晃司 |
参加者 | 臨床研修医 9名 (福島県立医科大学附属病院8名・星総合病院1名) |
平成24年1月11日(水)
講演 「原発事故と医療人」
福島県立医科大学 副学長 山下 俊一
- 被曝とがんリスクの相関について、曖昧にしかわからなかったですが、先生のお話を聞いて、簡単に説明できるようになったと思います。
- チェルノブイリとの比較が説明されていてわかりやすかった。資料が多く、後々読んでみようと思った。


放射線除染施設見学・説明
福島県立医科大学 放射線健康管理学講座 助手 宮崎 真
- 除染施設を見学して、除染の流れがわかった。また、実際に除染の対象となった具体例の説明もあり、イメージしやすかった。
- 以前にも救急科を回ったときに、除染施設でのシミュレーションを見学する機会があり、とても勉強になりました。長谷川先生がインターネットでマイクを使ったカンファレンスのようなものをやっているとのことでしたが、具体的にどのようなことをしているのか気になりました。


講演 「震災後の福島県における甲状腺超音波検査の状況と今後の展望」
福島県立医科大学 器官制御外科学講座 教授 鈴木 眞一
- 甲状腺がんがなぜ放射線の影響をうけやすく、エコー検査をやっていく意味があるのかよくわかった。
- スクリーニングの大切さを学びました。また、震災時福島にいて原発の影響を受けた、と考えられる子供たちに対し、生涯フォローを行っていくという考えがとても素晴らしいと思いました。


講演 「震災後の南相馬市立総合病院」
南相馬市立総合病院 院長 金澤 幸夫
- 人伝えやテレビ、新聞などでは状況をきいていましたが、実際の写真や生の声(事実)をきけて良かった。震災の時を思い出し、いろいろと考えさせられた。
- 写真を交えて、当時の様子を具体的にお話していただけたので、不安や焦りなども直に伝わってきました。病院機能もなかなか回復せず、また職員も不足していて、11月になってようやく120床での体制がスタートしたという話が最も印象的でした。


交流会
南相馬市立総合病院副院長の及川先生をはじめ、同病院に応援として来られている東海大学、帝京大学の医師と、倉敷、霧島から来られている技師の方が参加してくださり、有意義な交流が図られた。


平成24年1月12日(木)
健康相談教室
血圧測定のほか、当センターの大谷 晃司 先生(整形外科)により腰痛をテーマに講演
- 印象としては、「震災後に血圧が上がった」という人が多かった気がします。少しお話を聞いて血圧を測るぐらいしかできませんでしたが、少しでもお役に立てたなら良かったです。大谷先生の講話もあり、有意義な健康教室になったと思います。
- “小池第二”の方に参加させて頂いた。寄合を持って独りぼっちにならないよう努力されていることがよくわかった。歯科衛生士さんが各仮設を回って元気づけようとされていることも知れてよかった。
小池第二集会所


千倉集会所



最後に皆さんへ、この研修の内容や改善点(アドバイス)について聞いてみました。
研修内容はいかがでしたか?
- 震災後の南相馬の様子、現在の状況、福島医大が現在まで取り組んできたこと、これからしていくことなどを、まとめて聴く機会がもてて良かった。福島で医師として働く以上、放射線のことは、きちんと理解し説明できるようにならなければならないので、正しく勉強していこうと思います。
- 被災地、被災者を目で見るということは、本当に印象深いことだと思います。同じ福島県に住んでいても今までわからないことがたくさんあったことに気付きました。
この研修の改善点(アドバイス)をお聞かせ下さい
- とても良い経験となりました。交流会で全国から来ている先生方と意見交換ができたのも良かったです。南相馬市立総合病院やその他被災した病院に行ってみたりできれば、と思いました。
- 実際に、R6号の20Km検問をみたり、南相馬市立総合病院の院長をはじめとする医療スタッフの方々の話をきいたり、住民の方とのふれあいを通じて、今後、医師として、県民として、微力ながらも役に立てるよう、行動していきたいという気持ちを新たにすることができました。なので、"実際に行って、見て、聞くは"今後も必要だと思いました。また、行政・自衛隊員の方々の話もきけたらよかったと思いました。