福島県立医科大学 研究成果情報

第44回癌免疫外科研究会「奨励賞」(令和5年6月受賞)(2023-07-25)

照射線治療による腫瘍細胞内cGAS-STING経路を介した食道扁平上皮癌微小環境の変化

中嶋 正太郎 (なかじま・しょうたろう)
癌集学的治療地域支援講座/消化管外科学講座 准教授
        
研究グループ
中嶋正太郎、三村耕作、金田晃尚、片方雅紀、岡山洋和、齋藤元伸、佐瀬善一郎、渡辺洋平、花山寛之、多田武志、坂本渉、門馬智之、河野浩二

今回の受賞について

癌免疫外科研究会について


 癌に対する免疫チェックポイント阻害薬は日常臨床で広く用いられるようになった。より安全かつ有効な免疫治療を目指した治療効果予測因子の解明や複合免疫療法の開発、また癌免疫療法の将来展望等について議論する研究会。

賞について


 当研究会の発展と症例を目的とし、主題・一般演題から1名ずつ計3名が優秀演題として選出されるもの。

概要

 近年、放射線治療による抗腫瘍免疫応答の活性化には腫瘍細胞内のcGAS-STING経路の活性化が重要であるとの報告がなされておりますが、食道扁平上皮癌(ESCC)において放射線治療による腫瘍微小環境の変化に及ぼすcGAS-STING経路の役割はほとんど明らかにされていませんでした。研究者らは、腫瘍細胞内cGAS-STING経路が放射線治療によるESCC微小環境の活性化に重要である一方、IL-34の産生を介して免疫抑制性マクロファージの蓄積にも関与することを明らかとしました。本研究成果は、IL-34を標的とすることで放射線治療や免疫放射線療法の治療効果を促進する新規治療戦略の開発に繋がる可能性があり、今後の癌免疫治療の発展に貢献するものと評価され受賞に至りました。


関連サイト

連絡先

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