- 川島 萌 (かわしま・もえ)
- 医学部 放射線健康管理学講座 MD-PhD学生
- 研究グループ
- 川島萌1、齋藤宏章1,2、西内孝光2、吉村弘記1,3、涌井昌俊4、谷悠太5、西川佳孝2,6、小俣文弥6、瀧田盛仁1、趙天辰1、山本知佳1、小橋友理江1,6、川村猛7,8、杉山暁8、中山綾8、金子雄大7,9、澤野豊明1,10、渋谷健司11、風間順一郎12、標葉隆三郎2、坪倉正治1
1.福島県立医科大学医学部放射線健康管理学講座
2.相馬中央病院
3.広島大学医学部
4.慶應義塾大学医学部臨床検査医学教室
5.医療ガバナンス研究所
6.ひらた中央病院総合内科
7.東京大学先端科学技術研究センター
8.東京大学アイソトープ総合センター
9.株式会社医学生物学研究所
10. 公益財団法人ときわ会常磐病院外科
11.東京財団政策研究所
12.福島県立医科大学医学部腎臓内科
概要
論文掲載雑誌:「Vaccines」(令和5年1月25日)
COVID-19の感染に脆弱な集団に対しては、より重点的なワクチン接種が推奨されています。ですが、透析患者に対するワクチン接種後の免疫構築に関するデータは不足しています。本研究は維持血液透析患者を対象とした前向き観察コホート研究で、BNT162b2(Pfizer-BioNTech)またはmRNA-1273(Moderna)ワクチンの3回目の接種後、SARS-CoV-2スパイク(S1)蛋白に対するIgGの抗体価、中和活性、インターフェロンγレベルを測定しました。体液性免疫は、最長2カ月間繰り返し測定しました。
中和抗体の中央値は、BNT162b2およびmRNA-1273のブースター接種後、それぞれ56日および9日で最大値に達しました。それぞれのIgG抗体価の中央値は、ブースター接種の16日後にそれぞれ3104.38 AU/mL、7209.13AU/mLと最大になりました。細胞性免疫はBNT162b2接種により61.9%、mRNA-1273接種により100%の人々が陽性になりました。
結論として、ほとんどの透析患者がSARS-CoV-2に対する体液性免疫だけでなく細胞性免疫も獲得していることが明らかとなりました。今後,3回目以降の接種後の抗体価や細胞性免疫の長期的な推移を調査し、透析患者に対する追加接種の必要性を検討する必要があります。
連絡先
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FAX:024-547-1991(代表)
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