
- 菅原 由紀子 (すがわら・ゆきこ)
- 循環器内科学講座 病院助手
- 研究グループ
- 菅原 由紀子、義久 精臣、竹石 遼平、大原 妃美佳、安齋 文弥、寶槻 優、渡邊 孝一郎、佐藤 悠、阿部 諭史、三阪 智史、佐藤 崇匡、及川 雅啓、小林 淳、中里 和彦、竹石 恭知
今回の受賞について
学会について
日本循環器学会は、循環器病学の研究の推進や診療に加え、医療体制の整備やガイドラインの普及、多職種にわたる人材育成など、広く社会に貢献することを目的としている学会である。
賞について
毎年、学会誌「Circulation Journal」に掲載された原著論文(年間掲載数 約140編)の中から、編集委員会による審査によって選出される賞である。
概要
心不全患者において左室駆出率の低下は死亡率の上昇と関連することが最近報告されている。本研究では右室面積変化率(RVFAC)が心不全患者において予後に影響を与えるのかを調査した。
480名の心不全入院患者において退院時(1回目)および退院半年後の外来(2回目)で心エコーによりRVFACを測定した。RVFACはそれぞれ35%以上、25〜35%、25%未満の3つのカテゴリーに分類して1回目から2回目までのRVFACの変化に基づいて、1)35%以上で維持、2)少なくとも1カテゴリー以上改善、3)低下したカテゴリーのまま変化なし、4)少なくとも1カテゴリー以上増悪 の4グループに分類した。カプランマイヤー解析ではRVFACの変化は心イベント(心不全入院または心臓死)発生率(log-rank P < 0.001)および全死亡率(log-rank P = 0.010)と関連していた。多変量コックス比例ハザード解析ではRVFACの増悪は心イベント(vs. 35%以上で維持した群、ハザード比2.326、95%信頼区間1.577–3.425、P<0.001、vs. 1カテゴリー以上改善した群、ハザード比3.300、95%信頼区間1.946–5.587、P<0.001)および全死因死亡(vs. 1カテゴリー以上改善した群、ハザード比2.193、95%信頼区間1.280–3.759、P=0.004)の独立した予測因子であった。
以上から心不全入院患者においてRVFACの変化は退院後の予後と関連していることが明らかとなった。
Circulation Journal Awards for the Year 2022
関連サイト
- 一般社団法人 日本循環器学会
https://www.j-circ.or.jp/
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 循環器内科学講座
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