福島県立医科大学 研究成果情報

ヨーロッパ臨床栄養代謝学会雑誌「Clinical Nutrition」掲載(令和4年8月10日オンライン)(2022-10-24)

Door-to-oral time and in-hospital outcomes in older adults with aspiration pneumonia undergoing dysphagia rehabilitation

摂食嚥下リハビリテーション下での高齢誤嚥性肺炎患者における絶食時間と院内アウトカムとの関連

片山 皓太 (かたやま・こうた)
大学院医学研究科臨床疫学分野 大学院研究生
        
研究グループ
片山 皓太, 栗田 宜明(福島県立医科大学大学院医学研究科臨床疫学分野)
高田 俊彦, 宮下 淳, 東 光久(白河総合診療アカデミー)
福原 俊一(京都大学医学研究科 地域医療システム学講座 臨床疫学グループ)
竹島 太郎(福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター)

概要

論文掲載雑誌:「Clinical Nutrition」(令和4年8月10日オンライン)


 摂食嚥下リハビリテーションを受けた高齢の誤嚥性肺炎の患者を対象に、24時間以内の経口摂取の開始が、入院期間中の転帰(アウトカム)とどのように関係するのかを分析しました。誤嚥性肺炎は高齢者に多く、死因としても重要な疾患です。肺炎の原因が誤嚥であるため、食事の再開が慎重になりますが、ベストのタイミングは充分に明らかにされていません。

 本研究では、24時間以内の経口摂取の再開によって、経口摂取が可能なままの退院が増加することはありませんでした(調整オッズ比=1.09,95%信頼区間[95%CI]:0.50-2.38)。一方で、入院日数の短縮につながることが明らかになりました(調整済み日数の差=-7.14日, 95%CI:-10.80 ‐ -3.42)。慎重な嚥下機能の評価に基づいて、できる限り早期に経口摂取を再開する方針によって、誤嚥性肺炎の診療の質の改善を示すことができればと思い、研究を実施しました。

 白河総合診療アカデミー、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター、京都大学医学研究科との共同研究の成果です。


連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 大学院医学研究科 臨床疫学分野
電話:024-547-1111(代)
FAX:024-547-1468
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