- 天海 一明 (あまみ・かずあき)
- 医学部 循環器内科学講座 大学院生
- 研究グループ
- 天海 一明1、義久 精臣1,2、堀越 裕子2、山田 慎哉1、根橋 健1、肱岡 奈保子1、野寺 穣1、金城 貴士1、横川 哲朗1、三阪 智史1、竹石 恭知1
(1医学部循環器内科学講座、2保健科学部臨床検査学科)
概要
論文掲載雑誌:「PLOS ONE」(令和4年8月23日オンライン)
12誘導心電図やホルター心電図は心電図モニタリングおよび不整脈検出における標準的な検査である。しかし、記録時間に関する制約があり、不整脈の検出力には限界があることから、近年、各種ウェアラブル機器が登場している。本研究では、銀線維を織り込んだシャツ型電極の心電図記録における有用性に関して検証した。
カテーテルアブレーションを行う目的で入院した不整脈患者31名(心房細動 25名, 発作性上室性頻拍 4名, 心室期外収縮 2名)において、シャツ型電極および通常のホルター心電図を装着し、同時に記録した(平均12.6時間)。2つの機器から得られた心電図情報における心拍数、QRS幅や不整脈検出の一致性について検討した。
2つの機器間における総心拍数 (相関係数R = 0.999, P <0.001)、最高心拍数 (R = 0.997, P <0.001)、平均心拍数 (R = 0.999, P <0.001)、最低心拍数(R = 0.989, P <0.001) 、QRS幅 (R = 0.900, P <0.001)はいずれも良好に相関した。Bland-Altman解析においても、各種パラメーターは、良好に一致していた。また記録中洞調律であり期外収縮が少なかった10名について心拍変動解析 (時間領域解析および周波数解析)を行った所、2つの機器で得られたデータ間で相違はなかった。さらに、同時記録中に、心房細動を9名、非持続性心室頻拍を2名、Lown分類Ⅱ以上の心室期外収縮を5名に認め、2つの機器における不整脈イベントの検出能は一致していた。
以上からシャツ型電極は心電図モニタリングおよび不整脈検出においてホルター心電図と同等の有用性が示唆された。
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