
- 安齋 文弥 (あんざい・ふみや)
- 循環器内科学講座 助教
- 研究グループ
- 安齋文弥1、義久精臣1,2、竹石遼平1、寶槻優1、佐藤悠1、三阪智史1、竹石恭知1
1. 医学部循環器内科学講座
2. 保健科学部臨床検査学科
概要
論文掲載雑誌:「Catheterization and Cardiovascular Interventions」(令和4年10月17日)
川崎病(KD)は冠動脈炎や冠動脈瘤を引き起こし、急性心筋梗塞(AMI)の一因となる。しかし、KDによるAMI (AMI-KD)と、動脈硬化によるAMI(AMI-non KD)の実臨床における治療方法と死亡率に関する違いは不明である。そこで、日本循環器学会による循環器診療実態に関するデータベースであるJROAD-DPCデータ(2012-2019年, n=70,300)を用いて検討した。
AMI-non KD群(n=70,227, 99.9%)と比較して、AMI-KD群(n=73, 0.1%)では経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行頻度が低率であり、冠動脈バイパス術、経皮的冠動脈血栓溶解療法、経静脈的血栓溶解療法の施行頻度が高率であった。また、PCIを施行した場合、AMI-KD群では、バルーン拡張術やロータブレーターを用いたステントレスPCIの頻度が高率であった。さらに、AMI-KD群では、院内での心肺蘇生実施率が高値、大動脈内バルーンポンプ、経皮的心肺補助装置、人工呼吸器装着など集学的治療の実施が高率であった。一方、AMI-non KDとAMI-KDの両群における院内死亡率は同等であった。
以上から、KDによるAMIでは、動脈硬化によるAMIで一般的に行われる薬剤溶出性ステントによるPCIとは異なる治療が選択されることが多く、機械的補助による集中治療をより要していることが明らかになった。
関連サイト
- 論文(掲載誌サイト)
https://doi.org/10.1002/ccd.30457
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