福島県立医科大学 研究成果情報

第40回日本肝移植学会 優秀演題賞(令和4年7月受賞)(2022-09-06)

MR elastographyを用いた移植肝グラフトの線維化診断

佐藤 直哉 (さとう・なおや)
医学部 肝胆膵・移植外科学講座 助教
        
研究グループ
佐藤直哉、見城 明、西間木淳、石亀輝英、小船戸康英、渡辺淳一郎、武藤 亮、月田茂之、木村 隆、丸橋 繁

今回の受賞について

【日本肝移植学会】


 本邦における肝移植の関する諸問題を研究し、その進歩・普及を図る目的で組織されている。本学会は、肝移植医療を支える様々な領域の専門家が分野を越えて協働し、肝移植医療 のさらなる充実と進歩のために努力を継続している。

【賞について】


 日本肝移植学会の優秀演題賞とは、毎年開催される日本肝移植学会学術集会において発表された演題の中から、選考委員の審査によって選出される賞である。

概要

 肝移植後のフォローアップにおいて肝生検は、拒絶や感染の有無に加え肝グラフトの線維化評価に重要であるが、侵襲的であり合併症のリスクが存在する。近年、低侵襲なMR elastography(MRE)を用いた肝線維化診断の有用性が報告され、肝グラフトにおいても応用が期待される。本研究では、福島県立医科大学で実施された肝移植症例の移植肝グラフトの病理組織学的肝線維スコアとMREを用いた肝硬度の相関および肝グラフト線維化の診断能を検討した。LS値は肝移植グラフトの線維化スコアと中程度の正の相関(r=0.612, p=0.0007)を示し、肝線維診断において高い識別力(C index; F0 vs F1-3; 0.94, F0-2 vs F3,4: 0.94,)を有することが示された。MREは低侵襲であり複数回測定することが可能であり、肝移植後のフォローアップ活用が期待される。


関連サイト

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