
- 佐治 重衡 (さじ・しげひら)
- 腫瘍内科学講座 主任教授
- 研究グループ
- 研究代表者;山下年成(神奈川県立がんセンター)、増田慎三(京都大学)、佐治重衡(福島県立医科大学) 研究グループ;臨床試験グループJBCRG (Japan Breast Cancer Research Group) に参加する国内136施設
概要
論文掲載雑誌:「Journal of Clinical Oncology」(2025年1月9日)
HER2陽性進行・再発乳がん患者に対して、トラスツズマブ+ペルツズマブ+タキサン併用療法を投与する標準治療群、もしくはトラスツズマブ+ペルツズマブ+エリブリン併用療法を投与する試験治療群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)における試験群の非劣性、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、安全性などを検証した試験である。3名の研究代表者で運営され、その1名が本学腫瘍内科学講座の佐治であった。
本試験には当院を含め国内の136施設から446人(標準治療群222人、試験治療群224人)の患者さんが登録された。主要評価項目であるPFSの中央値は、タキサン併用群の12.9ヶ月に対してエリブリン併用群で14.0ヶ月、両群間の非劣性が確認された(HR:0.95,95%信頼区間:0.76-1.19)。またQOL(生活の質)悪化までの時間の中央値は、エリブリン併用群の方がタキサン併用群よりも長い傾向を示した。
本試験の結果から、HER2陽性進行・再発乳がんに対するファーストライン治療として、トラスツズマブ+ペルツズマブ+エリブリン併用療法が選択肢の1つとなった。(佐治 重衡)
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 医学部 腫瘍内科学講座
電話:大学代表024-547-1111(代)
FAX:024 547 1514
講座ホームページ:https://www.onco.fmu.ac.jp/